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震災伝承を核に地域づくり 陸前高田の住民ら疑似体験プログラムを企画、全国から交流人口拡大へ

全国から参加者が訪れる長洞元気村の震災疑似体験プログラム

 東日本大震災で被災した陸前高田市広田町長洞(ながほら)地区の住民たちが「震災伝承」を核とした地域づくりに取り組んでいる。支え合って住民全員が地元で住宅再建を果たした結束力を発揮。2016年12月に住民有志で「長洞元気村」を設立し、交流人口を着実に増やしている。
 長洞地区を2月下旬、首都圏のグループ約10人が訪問した。元気村が企画する震災疑似体験プログラムに参加するためだ。
 元気村事務局長の村上誠二さん(62)を講師に、参加者は「自治会未加入者に自分たちの食料を配りますか」などとゲーム形式で災害対応を学ぶ。昼食には地場産品を使った料理が振る舞われた。
 60戸の長洞地区は、津波で28戸が被災した。住民は民家に分散して避難生活を送りながら、市との直接交渉で地区内に仮設住宅を整備した。
 資金不足で地区外の災害公営住宅に転居せざるを得なかった住民にトレーラーハウスを調達するなど、強い結束力で最終的に全員が地区内での住宅再建を果たした。
 被災から仮設住宅入居までの第1期、仮設住宅から住宅再建までの第2期を経て元気村は、震災伝承の取り組み強化を復興第3期と位置づける。
 住民の高齢化や震災の風化を交流人口の拡大で克服しようと、企業研修や民泊修学旅行の受け入れを本格化。毎年30団体前後が地区を訪れるようになった。
 地区の女性たちがホタテのアヒージョの特産化に取り組み、地元漁師が訪問客を漁船に乗せて洋上から復興の様子を紹介する長洞地区。村上さんは「支え合って大震災を乗り越えた力で、これからも地域を盛り上げていきたい」と力を込める。


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2019年03月20日水曜日


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