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<高校山岳部>高まる人気、部員数10年間で71%増 事故懸念で設置校は伸び悩み

全国で部員数が増えている高校山岳部=山形県の鳥海山(写真と本文は関係ありません)

 全国で高校山岳部に所属する生徒数が近年増える一方、部活を置く学校数は伸び悩んでいる。東北でも特に男子で同様の傾向が見られる。アウトドアブームで関心が高まっているのに対し、指導者不足や学校側の事故への懸念などからミスマッチが起きている可能性がある。
 67競技が加盟する全国高等学校体育連盟(全国高体連)の2009、18両年度の加盟状況調査によると、所属生徒数の増加率の大きい上位5競技は表の通り。登山は女子が96.5%増、男子が64.6%増で、サッカー女子、スケート女子と続いた。登山は18年度の男女合計が1万1926人と、09年度比で71.0%の大幅増となった。
 サッカー女子など他の競技は部を設ける高校数も増える傾向にあるが、登山は男子が12.7%減、女子も29.7%増にとどまり、登山全体では0.5%減となった。
 東北6県も同様だ。男子は09〜18年度で部員が16.2%増えたものの設置校数は16.4%減少してしまった。女子は部員が13.8%増、設置校数は22.2%増となった。
 若い世代の登山への関心は高まっている。
 国の調査によると、過去1年間に登山・ハイキングをした人は15〜19歳で16年と06年の比較で8.4%増、20〜24歳は25.0%増、25〜29歳は6.5%増となった。
 山を舞台とした映画や漫画によるアウトドア人気の高まりが背景にあるとみられる。これに対し、山岳部は高校の定員減や顧問のなり手不足、事故の危険などの理由で削減されがちだという。
 全国高体連登山専門部の谷口浩平事務局長は「指導者育成が急務だが、研修を増やしても出張費がネックになっている。公的支援を得られるよう働き掛けている」と話す。
 競技団体には、高校生から山に親しむ意義を説く声もある。日本山岳・スポーツクライミング協会(東京)の尾形好雄専務理事は「山岳部で基礎を学んだ生徒が卒業後、リーダーになって安全な登山の仕方を周囲に教えてほしい」と期待。日本山岳会(同)の中山茂樹副会長も「大学や社会人でも続け、雪山や海外登山のノウハウを引き継いでほしい」と語った。


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2019年03月21日木曜日


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