宮城のニュース

<災害公営住宅>宮城県内14市町で家賃補助延長 低所得世帯向け、自治体で年数に差

 東日本大震災の災害公営住宅に暮らす低所得世帯への国の家賃補助が一定期間後に縮小される問題で、宮城県内21市町のうち14市町が独自に延長する措置を取ったことが分かった。11市町は家賃が上がる収入超過世帯の減免にも対応。岩手、福島が県として対策を講じる一方、宮城は市町に判断を委ねており、違いが浮き彫りになっている。

<低所得世帯向け>

 宮城県内の災害公営に入居する世帯数と21市町の対応は表の通り。低所得世帯は1万42に上り、全体の67.5%を占める。このうち家賃軽減策を導入するのは14市町。4市町は検討中で、3町は実施しない。
 仙台や山元など8市町は10年目まで家賃を据え置く(登米は所得月額7万2800円以下が対象)。11年目以降の対応方針も表明しているのは3市町で、石巻は引き上げを11〜20年目、気仙沼は11〜15年目に繰り延べる。女川は収入にかかわらず全入居者の家賃を15年目まで抑える。
 亘理は2020年度まで補助し、栗原は8〜10年目に段階的に縮小する。南三陸は20年度以降、所得が生活保護を下回る水準の入居者を補助対象にする。

<収入超過世帯向け>
 
 入居要件による収入超過が将来的に見込まれる世帯は、全体の7.5%に当たる1116。家賃の割り増し分を減免する11市町のうち、岩沼、山元、涌谷の3市町が10年目まで据え置く。石巻、東松島、七ケ浜、南三陸は8年目、塩釜は19年度までを期限とする。亘理は20年度まで2分の1を減額する。
 気仙沼は11年目から5年間で緩やかに引き上げる。女川は所得月額の上限を25万9000円に緩和した。町民生活課の担当者は「人口流出に歯止めをかけるため、手厚い支援が欠かせなかった」と説明する。
 岩手県は昨年1月、県営の災害公営住宅に関して家賃に上限を導入。方針を受け、周辺市町が足並みをそろえた。県建築住宅課の担当者は「自治体によって災害公営の家賃上限が異なっており、公平性を保つ必要性があると判断した」と狙いを話す。
 福島県は今年1月、東京電力福島第1原発事故の避難者が暮らす災害公営を対象に、震災後に高騰した家賃の基準を震災前の相場に合わせ、上限額を引き下げる制度を打ち出した。
 2LDKタイプで最大8万円近く減免される見通し。県建築住宅課の担当者は「復興需要による建設費の高騰で家賃が上がっており、岩手の事例を参考に手だてを考えた」と明かす。
 県管理の災害公営を造らなかった宮城県は「運営主体となる市町村の判断を尊重する」(住宅課)との立場を強調している。

[災害公営住宅の家賃] 所得や世帯構成、立地などに応じて決まる。所得月額が8万円以下の低所得世帯は、建物管理開始から5年間は家賃が最大7割減額される国の特別家賃低減事業が適用され、6〜10年目に補助が段階的に縮小する。入居3年が経過し、15万8000円を超える世帯は4年目以降に家賃が引き上げられ、近隣の民間賃貸住宅と同等の水準に近づける仕組みとなっている。


2019年03月22日金曜日


先頭に戻る