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<となりのムスリム>仙台暮らし事情(2)ハラル食への理解拡大を

食事を楽しむムスリムら。ハラルへの理解は広がりつつある=2月13日、仙台市青葉区子平町の「ナン・タンドリ」

 イスラム圏から来た人々が仙台市で増えている。礼拝や食事、言語など文化が全く異なる日本社会でイスラム教徒(ムスリム)らは悩みながらも、たくましく生きている。隣人となったムスリムの日常を追った。
(報道部・坂本光)

 スパイスをふんだんに使ったカレーと手作りのナンがテーブルに並ぶ。芳醇(ほうじゅん)な香りが店内に漂う。訪れたムスリム(イスラム教徒)らがナンをカレーに付けては口に運び、談笑しながら食事を楽しむ。
厳しい戒律
 仙台市青葉区子平町のレストラン「ナン・タンドリ」。イスラム教の戒律に従った純粋な「ハラル食」を提供する市内唯一の料理店だ。バングラデシュ人の店長モファザル・カリム・マズンデルさん(62)が2008年に開店した。
 イスラム教は豚肉やアルコールの飲食を禁じ、神の名を唱えるなど正式な手順で解体された食肉以外を口にすることも許さない。ハラル食以外や酒の提供に使った食器や調理器具を用いた食事も禁じる。
 カリムさんは1990年に留学生として来日した。「数年間は魚と野菜、卵などで過ごした。不安で肉は一切食べられなかった」という。日本語が分からず、ハラル対応かどうか見分けられなかったためだ。
 「留学生に同じ経験をさせたくない」との思いでハラルの料理店、食材店を営む。全国的に対応する食品や飲食店が増えているが仙台はこれから。「うちの店がムスリムの居場所になればいい」と願う。
 ハラルの理解に向けた市民の動きも出てきた。市内の栄養士らは1月、カリムさんの妻マムダ・ベコム・ロタさん(48)を招き、ハラル食の講習会を開いた。
 ロタさんは24年間の日本暮らしを踏まえ「買い物の際はアルコールが含まれるしょうゆなどの調味料や、動物性エキスが含まれた食べ物に注意している」と説明。「ムスリムは迷ったら食べるのを避けてしまう」とも強調した。
 参加した青葉区の栄養士(50)は「ハラルの細かい内容は知らなかった。初めて聞いたことが多く、勉強になった」と話す。
安価で健康
 カリムさんにも毎年、企業やホテルなどから講演依頼がある。「ハラル食は安価で体にもいい。専門店があれば異文化交流の場にもなる。講演でハラル食が広まってくれればうれしい」
 ハラルの「伝道師」を務めるカリムさんが目を輝かせた。


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2019年03月22日金曜日


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