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<この人このまち>漆の魅力全国へ伝える 「うるしびと」1期生

ながしま・まどか 1988年、埼玉県上尾市生まれ。広島県熊野町の熊野筆製造会社勤務を経て2016年6月「うるしびと」雇用制度1期生。

 若手の漆かき職人を養成する二戸市の「うるしびと」雇用制度の1期生長島まどかさん(30)が、3年近い修業を終えて独立することになった。二戸市に定住し、冬場はアクセサリー作りで漆の里を全国にPRする。長島さんをとりこにした漆の魅力とは−。(盛岡総局・北村早智里)

◎漆かき職人として定住、独立する 長島まどかさん(30)

 −3年間の修業は大変でしたか。
 「1年目は職人さんに付いて仕事のイロハを学び、冬場には塗りや磨きの作業も体験します。2年目以降は一人で山に入ります」
 「最盛期の6〜11月は、毎日朝早くから日が暮れるまで山にいて200本の木をかきます。最初の年は漆にかぶれて眠れない日もありましたが、3年目にはすっかり耐性ができました」

 −漆かき職人を志した理由は。
 「漆かきの仕事を紹介するテレビ番組を見たのがきっかけです。当時は広島県熊野町で伝統工芸品『熊野筆』を製造する会社で働いていました。黙々と上質な漆を採取する仕事に同じ職人として心引かれ、転職を決めました」
 「漆の品質は傷の付け方、採取の頻度などで変わります。自分の努力が目に見えて実感できるのも、この仕事の面白さです」

 −二戸市浄法寺産の漆は、国宝の修復にも使われています。
 「昨年11月、浄法寺の漆を使った日光東照宮の修復作業を見学しました。仕事の成果を何十万人に見てもらえる、他にはない仕事だと改めて感じました」
 「一方で技術の継承が課題となっています。若い職人も増えてきましたが、60〜70代が圧倒的に多く、ベテランが引退する前に技術を引き継がなければなりません」

 −定住と独立を決意しました。
 「仕事は毎日楽しく、迷いはありません。地域の方が『残ってくれるんだ』と喜んでくれて、温かい町だと再確認しました」

 −自活するには冬場の収入確保が課題となります。
 「漆かきの仕事で生活を成り立たせる先駆けとなるのが、うるしびと1期生である私の役割と考えています」
 「冬場は漆の木からピアスやネックレスを加工して販売します。鮮やかな黄色をしている漆の木の断面に着目しました。今年から広島の知人の店に置いてもらう予定です。移住者ならではの視点とネットワークで漆の魅力を広く伝えていきます」


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2019年03月25日月曜日


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