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低体重の赤ちゃんに肌着届けたい 仙台の女性が自らの経験を基に小さいサイズ商品化へ

小さな赤ちゃんのための肌着の試作品を手にする佐藤さん
夫に抱っこされる生後約1カ月の大生ちゃん。佐藤さんの妹が作った肌着をまとっている=2009年7月、仙台市内の病院(佐藤さん提供)

 体重2500グラム未満の低体重出生児のベビー服を商品化しようと、仙台市太白区の会社役員佐藤里麻(りま)さん(49)が起業の準備を進めている。低体重の長男を出産した経験から、小さいサイズが手に入りづらい状況を知った。「小さな赤ちゃんに服を作って祝福し、お母さん、お父さんに笑顔を届けたい」と語る。
 丈20〜25センチ、胴回り約30センチの肌着の試作品がこのほど仕上がった。デザインなどを調整し、近く製造会社にサンプルを発注する。1500グラムや1200グラムなど数サイズを用意する計画。最初は宮城県内の新生児集中治療室(NICU)がある病院で販売するという。
 低体重出生児向けの服はベビー服の店舗にはほとんどなく、通信販売でも1枚約3000円と高め。値頃感を出すため1000円以下を目指す。
 佐藤さんは仙台市出身。30代で東京でウェブ制作会社を設立した。ベビー服の企画・販売を決意した背景には、39歳で授かり、幼くして亡くなった長男大生(だいき)ちゃんの存在がある。
 長男は体重2000グラム弱。重度の障害があった。妊娠中に障害を告げられ、不安な日々を送る中、妹から型紙を縮小コピーして作った肌着を贈られた。
 仙台で出産し、長男はNICUに入った。新生児は皆おむつ姿だった。妹手作りのベビー服を着せられないか主治医に聞くと「小さいサイズがないので着ていないだけ。どうぞ着せてあげて」と勧められた。
 服を着た長男を見た時、一人の人間として認められたようで誇らしかった。ぬくもりが残る肌着を持ち帰り、自宅で丁寧に洗い、干した光景をいとおしく眺めた。「赤ちゃんが入院すると親ができることは多くない。洗濯という幸せな仕事を与えられた」
 長男は3カ月で退院。自宅で夫と交代で24時間、看病を続けた。この世を去った時は1歳3カ月だった。
 起業する法人名は「くるむ」。小さな赤ちゃんを愛情と笑顔で包みたい。服を着せる喜びを他の家族にも感じてほしい。そんな願いを込めた。ネット販売やカタログ販売も構想し、生後間もなく亡くなった赤ちゃんのためのベビードレスも扱うという。
 創業は6月5日。「心の中にいつもいる大ちゃんと一緒に事業を進めたい」。大生ちゃんの誕生日に合わせる予定だ。


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2019年03月26日火曜日


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