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<安住の灯>被災者結ぶお茶会に幕 石巻・大橋仮設住宅 退居進み参加者減少

最後の交流会を楽しむ仮設住宅の入居者たち=26日、石巻市大橋1丁目

 東日本大震災で被災した石巻市の大橋仮設住宅で26日、入居者らが集う最後のお茶会があった。市内の被災者でつくる一般社団法人「石巻じちれん」が仮設の集約化に伴う孤立防止策として2年前に始めたが、被災者の退居が進んで参加者が減少。今月末に集会所も閉鎖されるため、活動に幕を下ろした。

 入居者や既に退居した元住民ら約40人が参加した。市内外のボランティア団体を交えて歌や踊りを楽しみ、思い出を語り合った。じちれん事務局の渡辺富雄さん(69)は「毎回20人前後が集まり、交流を重ねることができたことに感謝したい」とあいさつした。
 お茶会は2017年1月、じちれんが集約先となった16カ所の仮設を拠点に週1回のペースで始めた。防災集団移転促進事業による自宅再建や災害公営住宅への入居が進んだため、今年に入ってからは大橋のほか、蛇田西部第2の仮設2カ所での開催に縮小した。
 ピーク時(12年6月)に1万6788人いた市内の仮設入居者は今月1日現在、1%以下の150人に減少。退居せずに4月以降も残る特定延長の対象者はわずか28世帯のみとなる。
 参加者のうち唯一、大橋仮設で暮らし続ける吉田ヨシさん(82)は「みんなと会えなくなるのは残念」と別れを惜しむ。8月には市内の集団移転先で建設中の自宅に入居できる見通しとなった。「新天地で友人を見つけて前向きに過ごしたい」と話した。
 16年11月に仮設を退居し、湊町の災害公営で暮らす稲井範子さん(79)も会場に駆け付けた。「一番苦しい時に支え合った仲間と集う場がなくなるのは寂しい。またいつか同窓会のような場を持てたらいいなと思う」と再開を願った。
 元自治会長の山崎信哉さん(82)は「見知らぬ人が集まったにもかかわらず、長く結び付きを保てたのは誇らしい」と仮設暮らしの日々を振り返る。「災害公営はコミュニティーが希薄だ。それぞれが新しい環境で関係性を築く努力をしてほしい」と呼び掛けた。


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2019年03月27日水曜日


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