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<救急車東奔西走>(3)不要不急/適正な利用促進を模索

職員に119番指令の業務をアドバイスする金子さん(左)

 仙台市内で救急車の出動件数が増え続けている。2018年は5万件を突破し、5年連続で過去最多を更新した。搬送者の約半数が65歳以上で、高齢化の進展が件数を押し上げる。不要不急の119番も相変わらず多い。東奔西走する救急車。5万件突破の足元を探った。(報道部・池田隆平)
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 「119番です。火事ですか? 救急ですか?」
 「………」
 「もしもし?」
 「………」
 仙台市青葉区の市消防局指令室。職員の問い掛けに無言が続く。いたずらか、それとも話せないのか。判別がつかない。

<出動が鉄則>
 通話の発信地が分かる場合は救急車を出動させる。「要請は断らない」が、119番指令の鉄則だ。
 過去には駆け付けた現場に人が倒れていたケースもあったが、単なるいたずらの場合も少なくない。市消防局が2017年に受けた約6万8000件の119番のうち、いたずらは811件。不要な出動が件数を押し上げている。
 不要ではないが、結果的に緊急性が高くなかった出動も多い。18年に救急搬送した人のうち、搬送先で軽症と判断されたケースは37.6%を占める。
 市消防局指令課の金子照さん(47)は「救急車は限りある資源。不要不急の出動が増えれば、一刻を争うような患者の救命に支障を来しかねない」と119番の適正利用を呼び掛ける。
 緊急性の低い救急車の利用をいかに減らすか。模索は始まっている。
 宮城県と仙台市は17年10月、夜間や休日に救急相談に応じる短縮ダイヤル「#7119」を開設した。看護師らが病気やけがの程度を聞き、適切な処置を助言する。
 18年4〜12月に市内から7876件の相談が寄せられ、救急車要請を助言したのは671件(8.5%)にとどまった。県医療整備課の担当者は「出動抑制に一定の効果がある。さらに認知度を高めたい」と話す。

<転院も要因>
 医療機関が患者を別の医療機関に移す際、救急車を使う「転院搬送」も繁忙の要因となる。出動件数に占める18年の割合は10.8%と、全国の政令市で最も高い。都心などを管轄する東京消防庁をも上回る。
 市消防局によると、一部医療機関に「転院搬送は消防機関に依頼する」との認識があるとみられる。荒井勲救急課長は「転院搬送の手引を作成し、救急車の出動要件を説明している。民間救急車の活用を促したい」と強調する。

仙台市内で救急車の出動件数が増え続けている。2018年は5万件を突破し、5年連続で過去最多を更新した。搬送者の約半数が65歳以上で、高齢化の進展が件数を押し上げる。不要不急の119番も相変わらず多い。東奔西走する救急車。5万件突破の足元を探った。(報道部・池田隆平)


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2019年03月27日水曜日


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