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<救急車東奔西走>(4完)需要増の備え/搬送時間の短縮へ工夫

救急出動が多い仙台市中心部と現場へ向かう救急車(左下)、高齢者施設向け救急ガイドブック(右上)のコラージュ

 仙台市内で救急車の出動件数が増え続けている。2018年は5万件を突破し、5年連続で過去最多を更新した。搬送者の約半数が65歳以上で、高齢化の進展が件数を押し上げる。不要不急の119番も相変わらず多い。東奔西走する救急車。5万件突破の足元を探った。(報道部・池田隆平)
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 東北の玄関口に命を救う新たな拠点が誕生する。
 仙台市は2020年度、JR仙台駅北側に「中心部救急出張所(仮称)」を整備する。場所は市道元寺小路福室線の宮城野橋(X橋)の下。新規配備を含む救急車2台が駅周辺の出動に備える。

<GPS搭載>
 繁華街やオフィス街が広がる市中心部。昼夜を問わず人々が行き交い、救急車の出動要請が非常に多い。駅に近い青葉消防署、片平出張所(ともに青葉区)原町出張所(宮城野区)の件数は群を抜く。
 出張所の新設で市内の救急車は1増となり、救急隊の増員で負担は軽くなる。救急需要の多い中心部への配備は現場到着時間の短縮につながり、「救命率の向上が期待される」(市消防局救急課)という。
 効率的な車両運用も進んでいる。昨年8月、市消防局は27年ぶりに指令システムを更新。全ての救急車に衛星利用測位システム(GPS)端末を搭載した。
 指令室や各救急車が地図画面で各車両の位置を把握、現場に最も近い車両を簡単に割り出せる。市消防局は「患者を病院に搬送し、帰途に別の現場へ向かわせることもできる」と説明する。

<ガイド配布>
 市は20年を境に人口減少に転じるとみられるが、救急車の出動件数は増加を続けると予想されている。約40年後には推計で年6万5000件となり、ピークを迎える。
 出動件数の抑制は容易ではなく、資機材の拡充にも限りがある。現場到着や患者搬送のいっそうの時間短縮がなければ、将来的な市民の要請に応えることはできない。
 市は新年度、高齢者専用住宅や介護施設など向けに、救急要請の留意点をまとめた救急ガイドブックを配布する。添付の救急連絡シートに利用者のかかりつけ医や既往症、服用薬などを記入しておき、救急搬送時に役立ててもらう。
 市消防局の阿部和彦救急担当部長は「救急隊員が患者の基本情報を把握できれば、搬送先を素早く選択でき時間短縮に結び付く。地道な工夫を積み重ねながら、膨らむ救急需要に対応していくしかない」と語る。
(報道部・池田隆平)


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2019年03月28日木曜日


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