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<平瀬智行の戦蹴眼>強過ぎる「縦の意識」

◎リーグ戦 攻撃不振

 今季の仙台は厳しいスタートとなった。J1リーグ戦で1分け3敗の最下位。総得点3はワースト5位タイ、総失点7もワースト3位タイと攻守とも元気がない。特に攻撃の不振がチームの歯車を狂わせているように見える。その要因は強過ぎる「縦の意識」だと思う。
 ボールを持ったら、すぐに前線にロングパスを入れたがっている。象徴的なのが、1−2で敗れた2日の第2節横浜M戦の2失点目。自陣ゴール前からの富田のクリアを起点に前線へ運んだボールを長沢がキープできず、こぼれ球を拾った相手に対し、守備が整わないうちに、カウンターを浴びて得点を許した。攻撃に出た時のリスク管理が曖昧になっている。
 縦を突く意識を持つこと自体は悪くないが、ボールを出すのが早過ぎて前線の1トップの長沢と石原直や阿部ら2人のシャドーストライカーにフォローが間に合わない。孤立している前線にボールを入れても何も始まらないし、長沢が頭で競り勝ってもセカンドボールを回収できない。縦一辺倒なら相手も対応しやすい。大事なのは落ち着き。まずは細かくパスでつなぎ、相手が食い付いてきたらサイドチェンジなどで守備のユニットを崩した方がより効果が増すだろう。それで好機とみたら、素早く攻撃のスイッチを入れればいい。強いチームに共通しているのは、やみくもに前へ運ばず遊びのパスがうまいことだ。
 主戦場はサイドとなる。人数に厚みを持たせてボールを回してからクロスを出せば、長身の長沢を生かせる。最近見えてきた左サイドで石原崇、阿部、永戸らが連係して相手を崩す動きをもっと増やしたい。
 悪い流れを断ち切るために、選手の入れ替えも積極的にしてもいいと思う。YBCルヴァン・カップ(ルヴァン杯)は2戦2勝と好調。13日のFC東京戦で攻守に活躍した富田はリーグ戦でも力を発揮しそうだ。ボールを奪いに行きながら、スペースを埋める賢さがある。金正也も堅実なプレーを見せており、さらなる活躍が期待できる。
 若手も頑張ってほしい。期待しているのはルヴァン杯で実績を残している長身の常田。左足を使えるセンターバックの存在は大きい。同じくレフティーの吉尾も面白い存在だ。細かいボールタッチがうまく、パスやドリブルなど多彩な攻撃のイメージを持っている。アイデアを周囲の選手と共有できれば、彼の良さを存分に生かせるはずだ。
 リーグ戦で4戦未勝利と苦しい状況だが、まだ始まったばかり。幸い、ブロックを組んだ時の守備は安定している。2週間の中断期間を経て、30日のホームC大阪戦が仕切り直し。攻撃に落ち着きを取り戻し、サポーターに巻き返しを期待させるような戦いを見せてほしい。(ベガルタ仙台クラブコーディネーター)


2019年03月28日木曜日


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