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仮設暮らしからヒント「ミニマル家具」、岩手・大槌の木工業者が発売

シンプルでコンパクトな家具と徳田さん

 岩手県大槌町の木工業者が、小型のテーブルと椅子2脚のセット商品を発売した。東日本大震災で被災した社長の徳田俊美さん(62)が、仮設住宅暮らしで着想したミニマル(最低限の)家具だ。「狭い部屋でも家族と食事する空間を確保し、快適に過ごしてほしい」との思いを込めた。
 木工業の「TOKUTA」が開発した「弐(に)膳NIZEN」は地元のスギ材を加工。縦60センチ、横45センチのテーブルには2人分の一汁三菜を載せられ、使わないときは下に椅子を収納できる。
 県職員だった徳田さんは家具店を営んでいた大槌町の実家を津波で流失し、母や妹が犠牲になった。森林資源を活用したものづくりで復興に貢献したいと、退職後の2017年3月に創業した。
 徳田さんは「復興を目指すなら震災前になかったものを生み出さなければいけない。古里のためにもう一踏ん張りすることが亡くなった人への供養」と語る。
 18年5月まで暮らした仮設住宅では、狭い台所を有効利用するためテーブルとしても使えるワゴンを自作。「1人暮らしの女性や若者に売り込める」と県工業技術センター(盛岡市)が商品化を後押しした。
 北欧家具に倣ったシンプルなデザインは今年1月に東京都であった木製品展示会で好評を博した。「仮設住宅の暮らしの中からコンパクトさと利便性の両立が生まれた。新しい価値観を示したい」と話す。
 5万9400円。自社のウェブサイトで注文を受け付けており、テーブルや椅子の単品販売もある。連絡先はTOKUTA0193(27)7711。


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2019年03月28日木曜日


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