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<秋田のコメ>あきたこまち依存で出遅れ感 販売戦略、県の結束不可欠

炊きたての秋系821を試食する関係者ら=28日、秋田市

 全国有数のコメ産地として知られる秋田県が、新品種の「秋系821」を引っ提げ、高価格帯のブランド米市場への参入に向け本格的に動きだす。産地間競争が激化する中、あきたこまちへの依存度が高かった秋田のコメ戦略は出遅れ感も否めない。評価を勝ち取るには関係機関が結束した「オール秋田」での取り組みが不可欠だ。
 県が2014年から開発を進めた秋系821。食味試験評価では甘味や香り、粘りなどの要素で他県産コシヒカリを大きく上回った。寒さと暑さに耐性があり、いもち病にも強い。
 1980年代半ばのあきたこまちの登場から30年以上が経過したが、秋田では肩を並べる極良食味米の不在が続いた。コメの消費が減る中、新たな需要を取り込もうと高価格帯の市場で新たな人気銘柄を確立してきた他産地とは対照的だ。
 「こまちにあぐらをかいていた」(県幹部)。秋田の関係者には強い危機感もにじむ。県は分析サンプル量を3倍近くに増やし、食味を最優先して秋系821を開発した。ターゲットとする首都圏の消費者からの好感触も得ているが、生産面では改善や工夫が必要な点もある。
 過去4年間の平均ではあきたこまちより収量が1アール当たり1.7キロ少なく、登熟期も12日ほど遅い。栽培適地の見極めなど現場の模索は続く。
 目指す価格帯は山形の「つや姫」並の約1万8000円(60キロ)。県は生産量を抑え、品質や価格の安定につなげる青写真を描くが、消費者心理をくすぐるネーミングや売り出し方など緻密な戦略も求められる。
 ブランド米市場で競い合うコメは、東北をはじめ全国で生産拡大の動きが目立つ。市場に投入する3年後に向け、生産や流通など関係業界の連携がこれまで以上に重要になる。


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2019年03月29日金曜日


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