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<安住の灯>被災者総合支援法提言へ 関西圏の研究者ら、検討重ねる

被災者総合支援法の取りまとめに向け、話し合いを重ねる座長の山崎氏(右)と主任研究員の野呂氏=兵庫県西宮市の関西学院大災害復興制度研究所

 関西学院大の災害復興制度研究所が策定を目指す被災者総合支援法は、阪神大震災を経験し、東日本大震災などで支援や調査活動に当たった関西圏の研究者らが検討を重ねる。全国の被災地で住まい復興が停滞する現状への危機感は強く、硬直的な現行法制の転換を訴える。

 中心メンバーは災害のほか、法律や財政、福祉、市民活動など各分野を専門とする学内外の十数人。策定に向けた法制度研究会をほぼ毎月開く。今月24日の会合では新たな住宅修理制度の支給額や、阪神大震災の損壊世帯数による試算などをテーマに議論した。
 兵庫県立大大学院の室崎益輝減災復興政策研究科長は「現金給付も明文化し、多様な選択肢をそろえる必要がある」と強調。「仮設住宅の整備に1000万円もの費用がかかる時代。住宅の修理などを手厚く支援する制度に変えなければならない」と述べた。
 関学復興研は、阪神大震災から10年後の2005年1月17日に設立された。09年度に災害復興基本法の試案を公表。東日本大震災で本格的に運用が進んだみなし仮設やプレハブ仮設住まいの長期化、在宅被災者といった課題を踏まえ、16年に総合支援法案作りに着手した。
 野呂雅之主任研究員は「継ぎはぎだらけになった法制を一つにして権限や財源を被災者の近くに置き、十人十色の復興をカスタマイズできる形にするのが望ましい」と説明する。
 根底には被災者が復旧復興過程で直面する「貧しさ」への問題提起がある。「雨露をしのげればいい」「我慢するのは仕方がない」と生活保護の側面が色濃い現状からの抜本的な変革も問う。
 法制度研究会座長の山崎栄一関西大社会安全学部教授は「生活再建を円滑に進める『ギア』を備え、復旧復興過程で分断されている支援の隙間を埋める必要がある」と指摘する。


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2019年03月31日日曜日


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