山形のニュース

<奥羽新幹線構想>山形県の推進運動で、6割「成果上がらず」 県議選候補者アンケート

在来線のJR奥羽線を運行する山形新幹線=山形市

 山形県が進めるフル規格奥羽新幹線早期実現運動について、沿線選挙区の県議選候補の6割は十分な成果が上がっていないと考えていることが、河北新報社のアンケートで分かった。フル規格新幹線で通過駅になってしまう地域への対策や、山形新幹線が走るJR奥羽線がJRから経営分離された場合の地元負担に関する議論が具体化していないとの声が多かった。

 調査は、奥羽線沿線11選挙区の32候補にファクスや郵送で質問票を送り、全員から回答を得た。
 県が早期実現の機運醸成を目指して展開している運動に関し、成果が「上がっている」「どちらかと言えば上がっている」と答えたのは計9人にとどまり、「どちらかと言えば上がっていない」「上がっていない」と回答した20人を下回った。3人はその他や無回答だった。
 国や関係機関への要望を重ねる吉村美栄子知事の手法を「評価する」とした候補は11人に上った半面、「評価しない」は4人、「どちらとも言えない」も15人いて、見方が分かれた。
 沿線でいまひとつ一体感を欠く背景には、フル規格新幹線の「負」の側面に関する議論不足がありそうだ。
 山形新幹線の停車駅が通過駅になることや、奥羽線が並行在来線として経営分離される可能性への対策に関する議論は、8割の25人が「不十分」と回答。「十分」とした人はゼロだった。「その他」とした上で「これから議論される」などと答えた人もいた。
 自由記述欄では「(並行在来線維持で生じる)地元自治体への財政負担などは、県民はほとんど知らされていない」(山形市・共産現職)「在来線対策をしっかり取った上でのフル規格だ」(東置賜郡・無所属新人)「通過駅になればフル規格に反対する自治体が出る可能性もある」(山形市・自民現職)との意見が目立った。
 さらに山形新幹線で輸送障害が頻発する福島−米沢間のトンネル整備構想は、将来のフル規格新幹線実現を前提とすべきか、現行規格でも早期着工を優先すべきかを聞いたところ、14人が「フルが前提」と答え、「早期着工を優先」としたのは8人だった。

[奥羽新幹線早期実現運動]山形県は2013年度から奥羽新幹線(福島−秋田間)と羽越新幹線(富山−青森間)の早期実現を目指す県民運動を開始。16年発足の県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟を中心にシンポジウムの開催やPR活動を展開する。16年以降に順次始動した推進組織や、17年に発足した両新幹線沿線6県職員の合同プロジェクトチームと共に機運醸成などを図る。両新幹線は1973年に基本計画決定。建設には整備計画への格上げが必要だが、長年凍結されている。


関連ページ: 山形 政治・行政

2019年04月03日水曜日


先頭に戻る