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「小高のシイタケ農家は私だけ」避難生活経て再開、粉末だし今夏発売へ

菌床が並ぶハウスでシイタケの生育を見守る泉さん

 福島県南相馬市小高区でシイタケ栽培に取り組んでいる泉景子さん(38)が、自家製シイタケを使った粉末のだしを完成させ、この夏にも市内の農産物直売所で販売を開始する。
 小高出身の泉さんは2010年にシイタケ栽培を始めたが、翌年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故によって、北隣の南相馬市原町区に避難を余儀なくされた。
 栽培は中断せざるを得なかったものの、農地の除染やハウスの再建を自力で進め、16年の避難指示解除を機に小高に戻って本格的に栽培を復活させた。
 5年ぶりに収穫したシイタケは県の調査でも放射性物質が検出されず、出荷再開にこぎ着けた。「安全管理を徹底してきたので大丈夫だという自信はあったが、ほっとしました」と振り返る。
 栽培復活とともに自前のシイタケを加工しただしの製造に取り組み、「シイタケ農家が食べても、おいしいと思える味にようやく仕上がった」と言う。
 乾燥シイタケのうま味を余すことなく引き出そうと、粗さを何度も変えながら粉末にしたという。イリコも加えて、より風味を増しただしに仕上がった。
 泉さんは4棟のハウスでシイタケやキクラゲを栽培し、キノコのジェラートなどにも挑戦している。「今のところ、小高のシイタケ農家は私だけ。何とか地元を盛り上げていきたい」と話している。


2019年04月04日木曜日


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