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<東北3県議選>人口減や期日前投票増加で投票所が減少 高齢者の足確保課題

弘前市の商業施設に設けられた期日前投票所。訪れた有権者が列をつくった

 青森、秋田、山形の3県で投票所の数が減少している。3月29日に告示された県議選の投票所数は、無投票の選挙区を含め3県合わせて2553カ所で前回より130カ所減った。人口減少や期日前投票率の上昇が理由。投票所数は今後も減少が予想され、高齢者らの交通手段の確保が課題となっている。各市町村選管は巡回バスを運行させるなどの対策を取る。

 投票所数は青森が950カ所(前回比54カ所減)、秋田が813カ所(45減)、山形が790カ所(31減)。人口減少による投票所ごとの有権者数の偏りをなくす目的で、投票所の再編をする自治体が多い。
 上山市は今回から3カ所廃止した。公選法は投票所1カ所につき、少なくとも2人の立会人を地区内の有権者から選任するよう定めており、市選管は「『高齢化による負担増』を訴える声があった」と説明する。
 期日前投票率の上昇も投票所が減った要因。秋田県では2016年の参院選の期日前投票率が47.9%で、全国平均の27.5%を大きく上回った。県選管は「支持政党が変わらず、投票を早く済ませたいという心情もあるのではないか」と推測。地元の投票所で知り合いに投票先を探られることを嫌う人もいるという。
 つがる市は昨年の市議選で投票所を再編し、従来の約3分の1の計17カ所まで絞った。いずれも「共通投票所」で、有権者はどこでも投票できる全国的にも珍しい試みだ。「減らすのはいいが、対策を講じてほしい」という市民の意見に応えたという。今回は無投票となったが、共通投票所は今後も継続する。
 ただ投票所削減は、投票率の低下を招く恐れもある。つがる市車力地区の無職女性(83)は「近くの投票所がなくなったので、市議選は行かなかった」と話す。今回から投票所が廃止される上山市山元地区の自営業男性(69)は「買い物や医療難民にも共通する根深い問題だ」と指摘する。
 上山市は交通手段のない有権者向けに、集落を巡回する小型バスを出す。14年衆院選から投票所がなくなった山形市芳沢地区では、投票日に使用できるタクシー券を市が配布している。つがる市は投票所がなくなった地区を対象に、日時を指定する2時間限定の臨時期日前投票所を設けた。
 投票所数は今後も減少が見込まれる。つがる市選管は「有権者宅に個別に訪問する仕組みもできるかもしれない」。秋田県選管は「いずれは車を使った移動投票所などの対策が要るだろう」と先を見据える。


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2019年04月04日木曜日


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