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春告げるコウナゴどこへ?東北沿岸の水揚げ低調、宮城・三陸はゼロ 海水温上昇が産卵に影響か

昨シーズンのコウナゴの初水揚げ。今年は不漁で宮城県内の三陸沿岸では水揚げゼロが続く=2018年3月26日、石巻市の石巻魚市場
コウナゴ

 東北沿岸部に春の訪れを告げるコウナゴが深刻な不漁に陥っている。1日に漁が解禁された宮城県の三陸沿岸の水揚げは5日時点でゼロ。福島県は3月初旬に予定した解禁日を4回延期した。魚群が確認できない状況が続いており、漁業関係者は「これほど取れないのは初めて」と頭を抱える。

 主要産地の石巻魚市場(宮城県石巻市)。1日早朝の初水揚げに向け、3月31日夜に漁船約40隻が出漁したが空振りに終わった。3日は2隻、4日は5隻が繰り出したが漁獲はゼロだった。
 宮城県水産技術総合センターによると、主漁場の仙台湾で4日に実施した調査で、コウナゴの姿は見られなかった。3月下旬に分布が確認された牡鹿半島以北は、漁に用いる集魚灯に反応しない幼魚が多かった。
 福島県水産海洋研究センターの担当者も「(漁場に)魚が見当たらない」と困惑する。魚群の状況を考慮し、解禁日の設定は今月中旬まで様子見する構えだ。
 不漁の原因について、宮城県水産技術総合センターは近年の海水温上昇の影響を挙げる。コウナゴは夏、砂に潜って「夏眠」する習性がある。最近は秋にかけて海水温が下がりにくくなり、コウナゴの体力が低下。産卵する成魚が減っている可能性がある。
 不漁は全国的な傾向で、伊勢湾(三重、愛知県)は2016年から4期連続で禁漁中。東北の産地への期待は高く、石巻魚市場営業部の高橋光雄次長は「地元の業者に依頼して、愛知など県外から買い付けるケースもあり、引き合いは強い」と話す。
 宮城県の昨年の水揚げは839トンで前年の2893トンから激減した。漁期は5月20日まで。2年連続の不漁に不安が高まっている。


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2019年04月05日金曜日


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