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幻の「観音寺セリ」後世に 登米市が栽培のマニュアル作成、担い手育成狙う

年間の作業手順を記した栽培マニュアル
昨年行われたセリ栽培の講習会

 登米市迫町北方地区の伝統野菜「観音寺セリ」の栽培技術を次世代に伝えようと、市は2018年度、講習会を開き栽培マニュアルを作成した。生産する農家が限られ出荷量が極めて少ないことから「幻のセリ」と呼ばれており、市は若い世代の担い手を育て、ブランド野菜としての生産拡大を目指す。
 観音寺セリは同地区で1200年前から代々受け継がれているとされ、現在は農家5軒が計10アールで栽培している。地区に湧き出る「弘法水」と呼ばれる井戸水をセリ田に引いて育てており、香りの強さとシャキシャキした食感が特長だ。
 5月上旬には太くて柔らかい茎の「葉ゼリ」が、12月下旬に根まで食べられる「根ゼリ」が、それぞれ収穫される。
 18年度の講習会には市内の30〜60代の農業者ら8人が受講。地元のセリ農家木村寿(ひさし)さん(74)を講師に、昨年4月には種ゼリ採取と植え付け、8月に田起こしと代かき、9月にランナー採取と植え付け、12月に収穫、選別などを行った。
 セリ田の準備や水管理、植え替え、病害虫防除など、木村さんが行うきめ細かな作業を年間スケジュールに示し、1月にマニュアルとしてまとめた。
 木村さんは「収穫は重労働で作業にもこつが要る。耕していない農地があるので、やる気のある若い人が育ってもらえるとうれしい」と期待する。
 講習に参加した同市米山町の中舘博さん(34)は今春、キュウリやホウレンソウなどのハウス栽培で新規就農を予定。生産品目の一つとして、4月から木村さんの苗代1アールを借りてセリ栽培に挑戦する。
 中舘さんは「登米にこれだけ良い伝統野菜があるのだから廃れてしまうのはもったいない。木村さんにアドバイスを頂きながら作業を覚えて、収穫量を増やしていきたい」と話す。
 市は19年度も引き続き、市内の農業者らを対象に講習会を開催する。受講生を募集している。連絡先は市産業連携推進課0220(34)2549。


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2019年04月07日日曜日


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