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福島・新地の産直市場「あぐりや」農家と消費者結び20年 記念誌作製

あぐりやの20年の歩みをつづった記念誌と石田さん

 福島県新地町の民営市場「あぐりや」が1999年6月のオープンから20年の節目を迎えるのを前に、農家と消費者をつないだ歩みをつづった記念誌「あぐりやの20年」を創業者らがまとめた。県内では先駆的な地場産品直売所として知られ、関係者は「中小農家の高齢者や女性の生きがいを生み出す福祉の面もあったのが長く続いた秘訣(ひけつ)」と振り返る。

 A4判、45ページ。初代代表を務めた理事の石田功一さん(81)らが編集に当たった。200部作製し、町や関係者らに配布した。
 あぐりやは、町役場を退職した石田さんが「農家は作るだけでなく、自ら売ることを考えなければならない」との思いから農業者ら5人でスタートさせた。会員農家を募って農産品の提供を受け、価格は自ら決めた。
 国道6号沿いに設けた店舗で、仲卸や農協を通さずに安価で新鮮な切り花やイチゴなどを提供。地元をはじめ宮城県などからも客が訪れ、初年は半年で約2500万円を売り上げた。
 売上高は右肩上がりで2018年に約1億4000万円と最高を記録した。当初50人ほどの会員農家も150人を超えるようになった。「あぐりや方式」を多くのメディアが報じた。
 こうした歴史を談話やカラー写真などで紹介した石田さんは「小規模農家が多く、規格をそろえた大量の産品を農協に納められない町内の農業を何とかしたかった。最初はレジの打ち方すら分からず、全て手探りだった」と振り返る。
 東日本大震災では店舗の足元まで津波が来たが、一時休業を余儀なくされた同業者らから産品を集め無償で提供した。
 「消費者との信頼関係を築けた。『お客と会話がある』のが特長。要望を聞いて商品をそろえたことも多い」と石田さん。「今後は農業の担い手確保やグリーンツーリズムなどで新たな道を切り開きたい」と話す。


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2019年04月07日日曜日


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