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<気仙沼大島大橋開通>定期航路最終便 思い刻む 110年超す歴史に幕

島民に見送られて出航する大島汽船の大島発最終便=7日午後6時20分ごろ、宮城県気仙沼市大島

 110年以上にわたり、島と本土を結んだ定期航路は、橋の開通と同時に運航の歴史に幕を下ろした。最終日となった7日、島民たちは長年の運航に感謝し、思い出が詰まった船との別れを惜しんだ。
 大島発の最終便午後6時20分に合わせて、船着き場がある浦の浜で別れの会があった。大島地区振興協議会などが主催したイベントには、島の人口の1割以上に当たる約300人の島民が集まった。
 島民たちは「ありがとう大島汽船」と書かれたボードを掲げたり大漁旗を振ったりしながら、それぞれ感謝の思いを伝えた。
 最終便が出発すると、5色のテープでつながった船に向かい、「ご苦労さん」「ありがとう」などと大きな声を上げた。
 定期航路は1906年に個人が始めた手こぎ船が始まり。48年に現在の運航会社大島汽船ができた。島から本土に通う島民の生活を支え続けた。
 乗船時間は約25分。島民同士が互いの近況を語り合ったり、学生が受験勉強に励んだり、読書をしたりする貴重な時間だった。
 無職千葉敬さん(68)は「年寄りから子どもまで、みんながコミュニケーションを図る大事な場所だった」と振り返った。
 東日本大震災では旅客船など7隻が被災。19日後に運航を再開した。
 スーパー店員の菊田正佐子さん(63)は「私たちの足であり、命だった。橋ができるうれしさもあるが、船が無くなる悲しさも大きい」と話した。
 定期航路を運航する大島汽船は観光船業務への転換を目指す。カーフェリーは他県の船会社に売却する。
 白幡昇一社長(67)は「地域の支えがあったから運航を続けてこられた。それぞれの思い出の中に大島航路を刻んでほしい」とあいさつした。


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2019年04月08日月曜日


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