秋田のニュース

<大森山動物園>赤ちゃん運ぶコウノトリにも少子化問題? 卵を産めない裏事情

大森山動物園のニホンコウノトリの展示スペース。現状ではふ化してもひなを育てられないという
秋田市大森山動物園で飼育されているニホンコウノトリ(同動物園提供)

 国内でニホンコウノトリの繁殖の一翼を担ってきた秋田市大森山動物園が、卵を産ませたくても産ませられないジレンマに陥っている。卵がかえっても成育スペースを確保できないため、同動物園で最後にふ化したのは8年前。産卵自体させないようにしているのが実情だ。

 同動物園は2011年5月に東北で初めてコウノトリを繁殖させ、4羽が誕生した。繁殖に成功した国内施設では最も北に位置していることから注目を集めたが、それ以来、卵はかえっていない。
 コウノトリは攻撃的な習性があり、同じ空間で何羽も一緒に飼育できない。現在は2カ所の展示スペースで成鳥の5羽を飼育するのが限界という。ひなが誕生しても園内で育てる場所は確保できない。
 12年3月に5個ほど産卵した際は、卵の大きさが近いフラミンゴの卵と入れ替え、いくら温めてもかえらずコウノトリが諦めるように仕向けた。それ以降は卵を産むための巣も作らせないようにしている。
 「赤ちゃんを運ぶ鳥」の言い伝えもあるコウノトリへの苦渋の対応。「卵をふ化させるために成鳥を減らすわけにもいかない」と担当者は困惑気味に話す。
 コウノトリを飼育する各地の動物園も繁殖の取り組みを進めているため、外部にひなを託すこともできないという。
 大森山動物園はコウノトリの新たなペアにすることなどを目的に18年11月、東京都の多摩動物公園と雄雌1羽ずつを交換した。現在の環境では産めないため、「将来的な繁殖を目指してのもの」と説明する。
 三浦匡哉(まさや)園長補佐は「卵を産ませたいのが本音なので心苦しい。日本動物園水族館協会などと相談して今後の方針を決めたい」と話す。
 国内では1971年に野生のニホンコウノトリが絶滅。85年に飼育下での繁殖の取り組みが始まった。


関連ページ: 秋田 社会

2019年04月09日火曜日


先頭に戻る