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<中古農機>ネット取引活況 離農と新規就農両者にニーズ

中古農機具を保管するマーケット社の物流拠点=仙台市若林区六丁の目

 インターネットを利用した中古農機具の取引が活発化している。東北でも、農家らが離農や経営規模縮小で使わなくなったトラクターなどを売却し、買い替え希望者や新規就農者が手頃な価格で購入している。市場関係者は「余剰・休眠中の中古農機具を、最適な場所で再活用させたい」と話す。

 ネットに特化した中古品買い取り・販売業のマーケットエンタープライズ(東京)は2017年2月、中古農機具専門の買い取りサイトを開設し、東北をはじめ全国で対応している。
 買い取り対象の中古農機具は耕運機や除雪機など30品目以上にわたる。故障箇所がある物や、即日の買い取りにも対応する。メーカーや型番、稼働時間などで参考価格を事前に査定。担当者が現場で農機具の外観や動作を確認した上で、正式に買い取る。
 買い取った農機具は仙台市内の物流拠点などに保管し、ネット競売サイト「ヤフーオークション」などに出品。日本製農機具の品質への評価が高い東南アジアや欧州など海外にも販路を広げている。
 マーケット社が農機具を買い取った東北6県のユーザーの割合は、宮城が約50%を占める。福島が約28%、岩手約8%で続き、青森、秋田、山形が各約5%で並ぶ。性別は男性、年代は40代以上が目立つ。
 農機具の処分では費用や方法に苦慮するケースが少なくない。一方、買い替え希望者や初期投資を抑えたい新規就農者にとっては、新品のトラクターとコンバイン、田植え機を買いそろえると1000万円近くにもなる出費が悩みの種になっている。
 2年ほど前から新たなトラクターを探していた宮城県の兼業農家の40代男性は今年2月、ヤフーオークションで大手メーカーのトラクターを約40万円で落札した。3月に引き取り、ジャガイモやニンジン作りに役立てている。
 男性は「スムーズな流れで必要な物が買えた。エンジンの調子が良く、使い勝手がいい。ディーラーで買ったら倍ぐらいの価格だったかもしれない」と語る。
 東北では後継者不足や高齢化を背景に離農が進む。東北農政局によると、15年の東北6県の農家の平均年齢は66歳。10年に比べ1歳上がった。農家戸数は約33万3800戸で、10年比で約7万2400戸減った。農業の大規模化、農地集約化も進み、コスト低減と効率化は課題だ。
 マーケット社の担当者は「20年前の年式や多少壊れている物でも購入ニーズがある。ハードルの高かった農機具の取引を簡単に手早く進め、東北の農業活性化に貢献したい」とアピールする。

 


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2019年04月09日火曜日


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