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重ねた思い演技に込め 障害、病気抱える大学生ら英語劇「ヘレン・ケラー」合同上演

ヘレンを熱演する羽山さん(左)。サリバン役の男子学生と観客を魅了した

 東北大、東北学院大、宮城学院女子大の英語部「ESS」が3月末、仙台市青葉区の市福祉プラザで英語劇を合同上演した。作品は見る、聞く、話すが不自由な三重苦を克服したヘレン・ケラーの物語。実際に障害や病気がある女子学生2人がヘレンを主演し、自身の思いを重ねた迫真の演技で観客を圧倒した。

 1時間半の英語劇は、幼少期のヘレンが家庭教師アニー・サリバンと出会い、「物には名前がある」と知るまでをオリジナル脚本で描いた。女性のサリバンを男子学生が演じた。
 幼少期のヘレンを務めたのは、東北学院大2年の羽山菫(すみれ)さん(19)。サリバンから指文字でアルファベットを教わり、自分がくんだ井戸水が「WATER」だと気付くシーンでは叫び声を上げるなど、喜びの気持ちを体当たりで表現した。
 羽山さんはESS部員でなく、今回は「助っ人」として出演した。てんかんの持病があり、行動を抑制する傾向があったが「いろいろなことに挑戦して」という高校時代の恩師の言葉に背中を押された。舞台を降りると「達成感でいっぱいです」と感極まった。
 成人したヘレンは同大3年の小椋汐里さん(20)が演じた。5歳で全盲になった小椋さんは、今回の英語劇でヘレン・ケラー物語を上演することを提案した。
 小椋さんは劇の終盤に登場し、5分間の長せりふに挑戦。自身の経験も重ね合わせながら「障害者に必要なのは、きちんとした教育と仕事です。誰かに必要とされていることが幸福なのです」と観客に訴えた。
 今年で23回目の合同英語劇は、スピーチやディベートなどと並ぶESSの主力活動。3大学とも部員の減少が著しく、英語劇を通じて新入部員の獲得につなげる考えだ。
 3大学ESS広報担当の東北大2年上田慎太朗さん(22)は「貴重な体験ができるESSの魅力を多くの学生に知ってほしい」と話す。連絡先は上田さん090(1147)4819。


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2019年04月10日水曜日


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