岩手のニュース

<2019統一選>北上市長選14日に告示 市政「東芝メモリ中心」問われる足元

急ピッチで建設が進む東芝メモリ北上工場

 任期満了に伴う岩手県北上市長選が14日告示される。市は半導体大手、東芝メモリ(東京)の進出決定で税収の大幅増に期待を寄せるが、その陰で足踏みを強いられている施策もある。市政のバランス感覚が問われる局面だ。

 市北部の工業団地では、製造棟1棟当たりの投資規模が1兆円という東芝メモリ北上工場の建設が急ピッチで進む。新工場は今秋に完成し、2020年には製品の本格出荷が始まる。
 市は3月、中期財政見通しを公表。「製造棟は3棟まで拡充される」と読み、24年度には東芝メモリ関連の税収が40億円に達すると試算した。
 東芝メモリを迎え入れるための先行投資は既に60億円に達する。それも早期に回収できるとの予測で、市財務部は「財政はかなり改善されるだろう」と余裕の表情だ。
 「東芝メモリ中心」(市幹部)の市政運営を、地域住民はどうみているのか。
 立花地区では16年度以降、市の定住化促進事業補助金を活用して地域住民が学童を見守るスクールガード隊結成など自治活動を進めてきた。
 しかし市は「事業が人口増加に結びついてない。本年度に事業の在り方を検証する」(まちづくり部)として補助の打ち切りを決めた。
 立花自治振興協議会長の軽石強さん(70)は「地域にとって必要な補助金だった。活動を縮小せざるを得ない」と不満を口にする。
 昨年7月に開設した公設民営型コミュニティーFM局は開局直後、市域の一部に不感地帯のあることが分かった。過去の水害で中心部が浸水した北上川沿いの更木地区は、災害発生時の拠点となる交流センターで電波を受信できない。
 議会も問題視しているが、事態は改善されないままだ。更木町振興協議会長の斉藤昭平さん(70)は「災害が起きてからでは遅い」と危機感を募らせる。
 積極的な財政投資で東芝メモリを支援し、税収が増えれば市全体に恩恵が及ぶと青写真を描く市当局。効果が波及するには時間がかかるだけに、市民の理解を得る努力が欠かせない。

 市長選には無所属の現職高橋敏彦氏(64)が3選を目指して立候補の意思を表明している。


関連ページ: 岩手 政治・行政

2019年04月10日水曜日


先頭に戻る