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東北・新潟の宿泊施設、訪日客受け入れ8割 収益貢献の一方で課題も

 東北6県と新潟県の宿泊施設(従業員10人以上)のうち、2017年度に外国人旅行客を受け入れた施設は8割に上ったことが、日本政策投資銀行(政投銀)東北支店などの調査で分かった。収益への貢献が一定程度見られた一方、施設が考えるアピールポイントと、訪日客のニーズにミスマッチもうかがえた。

 宿泊者数全体に占める訪日客の割合を各施設に聞いたところ、「1%未満」との回答は35.0%、「1〜5%未満」は31.6%。「5%以上」は15.0%で、計81.6%になった。全く受け入れていない施設は12.6%だった。
 県別はグラフの通り。訪日客が「5%以上」となった比率は青森23.4%、宮城11.1%など。特に「20%以上」は青森が9.6%と突出していた。クルーズ船寄港などに対応した活発な動きがうかがえる。他県は5%未満にとどまり、福島はゼロ。東京電力福島第1原発事故による影響とみられる。
 訪日客を受け入れた施設に収益性への貢献状況を聞いたところ、「ほとんど貢献しなかった」が45.6%で、「ある程度貢献した」「大きく貢献した」の計41.6%をやや上回った。
 ただ、受け入れ比率「5〜10%未満」の施設に限ると計77.4%、「20%以上」では全ての施設が「ある程度・大きく貢献した」と回答。受け入れを進めた施設ほど収益に反映される傾向が出た。
 また、受け入れた施設に訪日客への訴求ポイント(複数回答)を聞き、東北支店の昨年の調査で訪日アジア客にほぼ同じ選択肢で聞いた「宿泊施設に求めるポイント」(三つまで回答)とを比較した。
 その結果「母国語対応」などの言語面、「観光施設へのアクセス」をはじめとする交通面、「日本文化の体験」といったサービス面で、訪日客のニーズが宿泊施設の訴求を上回るミスマッチが明らかになった。
 東北支店の担当者は「受け入れ比率の低い施設ほど、訪日客の意識とのミスマッチがある。文化体験などサービスの整備は、観光地との連携など施設側の工夫で変えられるところもあると思う」と話した。
 調査は18年8〜11月、7県のホテルや旅館など1505施設に郵送で実施し、927施設(61.6%)が回答。受け入れ実績がほとんどない従業員10人未満の宿泊施設を除き、692施設の回答をまとめた。


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2019年04月10日水曜日


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