宮城のニュース

<気仙沼 震災遺構 開館1カ月>ありのままの姿、体感を 佐藤館長に聞く

来館者が寄せたメッセージを読む佐藤館長

 開館から1カ月間で8200人以上が訪れた宮城県気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館。佐藤克美館長(51)に来館者の声や施設の役割、防災教育の拠点としての可能性などを聞いた。

 −来館者の反応は。

 「津波の映像を見てから遺構の校舎に入り、実際に津波の脅威を感じ、(別な映像で)被災者の思いを聞く。一連の流れの中で、3月11日に戻ったと感じる来館者は多いようだ。保護者から震災当時の様子を聞きながら見学する子どもの姿もあった」

 −他地域の震災遺構と比べ、この施設の特徴は。

 「写真では分からない3月11日の、ありのままの姿を見られるのはここだけ。がれきや流れ着いた車、当時の土ぼこりが残った光景に驚く人たちは多い」

 −貴重な映像も多い。

 「階上中の卒業式の梶原裕太さんの答辞がノーカットで流れる。周囲に映った体育館に避難している被災者や制服を流されただろう運動着姿の生徒も、当時の状況を伝えている」

 −防災教育にも役立つ。

 「修学旅行や研修旅行で来てもらいたい。春休みには関西や北海道方面から教員が視察に来た。全国各地の学校と地元の階上中、気仙沼向洋高の生徒が防災教育を通じて交流を深める場があってもいい」

 −展示や見学コースについて考えていることは。

 「写真はもう少し増やしたい。非公開の南校舎2階などにも生々しい傷跡がある。安全面を考慮した上で、防災の専門家などに見学してもらうことも検討したい」

 −年間7万5000人の来館者を見込む。

 「被災した自治体として、気仙沼市は震災を伝える使命がある。多くの人に来てもらうためにも積極的に来館を呼び掛けたい」


2019年04月11日木曜日


先頭に戻る