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<全町避難>大熊町避難指示解除、町に人や車復興徐々に 活気回復へ高まる機運

避難指示が解除された大川原地区に完成した福島県大熊町の町役場新庁舎=10日午前9時50分ごろ

 東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難した福島県大熊町の一部地区で10日に避難指示が解除され、町が先行して復興に取り組む大川原地区では雨の中、人や車両の往来が目立った。東日本大震災から11日で8年1カ月。災害公営住宅などの整備が着々と進む同地区に、活気が戻る兆しに期待が集まった。
 避難指示が解除された大川原(居住制限区域)、中屋敷(避難指示解除準備区域)の両地区では10日、式典などはなく、これまでと変わらない一日となった。
 会津若松市の仮設住宅で暮らし、町の委託で町内を週3日パトロールしている町民見守り隊の島原健二郎さん(68)は「いつも留守だった家で、今日は片付けをする人がいた。ようやく町が動きだすと思うとうれしい」と笑顔で語った。
 大川原に昨年6月開設された町商工会連絡事務所の広嶋正人さん(44)は「避難解除は目に見えない扉が開いたようなもの。会員事業者が町内で事業を再開する機運も高まるはずだ」と期待した。
 町役場新庁舎は14日に開庁式を行い、5月7日に業務を開始する。会津若松出張所で公務に当たった渡辺利綱町長は「今日は町全域の避難解除に向けたスタートに当たる。新庁舎を前線基地として復興に努める」と述べた。
 大川原、中屋敷両地区の面積は約30平方キロで、町全体の38%を占める。一方で住民登録(3月末)は138世帯367人と町全体の3.5%に過ぎない。
 解除に備えた準備宿泊が昨年4月に始まり、21世帯48人(今月3日現在)が既に長期宿泊。大川原には東電の社員寮があり、廃炉作業に従事する約700人が特例として居住している。
 福島第1原発が立地する同県双葉、大熊両町では初の解除。全町避難が続くのは双葉町だけとなった。


2019年04月11日木曜日


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