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大堀相馬焼「陶吉郎窯」後継者・近藤賢さん、きょうから仙台で個展

青白磁の作品と近藤賢さん=いわき市四倉町の工房ギャラリー

 東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町から避難し、いわき市で工房を再建した大堀相馬焼「陶吉郎窯」後継者の近藤賢さん(38)が11日から、仙台市青葉区の藤崎で初の本格的な個展を開く。若き陶芸家は流線形の磁器など独自の作風を追求し、伝統継承を目指す。17日まで。
 展示販売するのは、窯元で父親の学さん(65)がいわき市四倉町に昨年4月再建した工房で制作した食器や茶器、花器など約250点。賢さんは「百貨店では初の個展。自分を知ってもらい、使ってもらうことで生活を華やぐものにできるといい」と言う。
 中心となるのは代表作の磁器シリーズ「イノセントブルー」。水や風など自然の動きと生命の輝きを青白磁、瑠璃色の2色と流線的な形状で表現する。工房に備えた伝統の登り窯で、父子で昨年焼いた作品も含まれている。
 300年以上続く陶芸産地の浪江町大堀地区で、窯元の長男として生まれた。栃木県の大学で陶芸を学び、益子焼の産地での修業を経て帰郷した半年後、東日本大震災と原発事故が起きた。地区は帰還困難区域となり、戻れるめどは立たないままだ。
 事故の約3カ月後、いわき市の仮工房で父子で作陶を再開した。日展でも入選を続け、2013年に県総合美術展で大賞を受けるなど着実にステップを踏む。一方で窯が集まった産地を離れ、単独でファンを増やしていく難しさも感じる。
 大堀相馬焼は疾走する馬の絵付けや表面に細かく入った「青ひび」が有名だが、作風や原料が違う大堀相馬焼があることも知ってほしいと願う。「伝統を背負い、いい作品を作って発信し続けなければならない」と決意を新たにする。
 個展会場は藤崎本館の美術ギャラリー。27日からの大型連休には、工房再建1周年記念の父子の企画展をいわき市の工房で開く。約1年ぶりに登り窯で焼いた2人の作品も登場する。


2019年04月11日木曜日


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