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<大館市長選14日告示>秋田犬ブーム生かせるか 地域経済への波及見えず 観光客取り込み策急務

5月にオープンする「秋田犬の里」。大館駅前の新たな観光拠点となる

 任期満了に伴う大館市長選が14日告示(21日投開票)される。秋田犬発祥の地とされる大館の市政は、秋田犬ブームにも勢いを得て観光振興面では一定の成果が上がっている。だが、商店街の衰退に歯止めがかからないなど地域経済への波及はいまひとつ。市のリーダーには暮らしに根差す課題とどう向き合うかが問われている。

 JR大館駅前に5月、観光交流施設「秋田犬の里」が開館する。大正時代に建てられた東京の「2代目渋谷駅」をイメージした外観の施設だ。入り口前で出迎えるのは、渋谷駅で主人を待ち続けた忠犬ハチ公の銅像。観光客を呼び込むための新たな拠点施設となる。
 市は「秋田犬の古里・大館」を掲げ、2017年に大館駅前に既存の建物を活用した「秋田犬ふれあい処(どころ)」を開設した。すぐ近くに秋田犬の里の整備も進め、こちらに拠点施設のバトンを引き継ぐ。
 16年には大館など秋田県北4市町村でつくる観光地域づくり推進法人(日本版DMO)「秋田犬ツーリズム」を設立。秋田犬のアイドルグループが名物や名所を紹介するPR動画を公開し、話題を呼んだ。
 大館駅の駅前商店街振興組合の山田暦人(かずひと)会長(45)は「商店街を歩く外国人を見掛けることも増えた」と手応えを語る。
 市によると、市内の観光入り込み客数は18年は230万人を超え、14年から50万人ほど増加。訪日外国人旅行者(インバウンド)の宿泊者数も14年の671人から18年には2075人と伸び続けた。
 交流人口の拡大を評価しつつ、山田さんは地域経済への恩恵にはうまく結び付いていない面があるとの見方を示す。背景に沈滞気味の商店街が観光客を取り込み切れない現状がある。
 商店街には現在約20店が並ぶが、店主の高齢化と後継者不足などで全盛期の半分以下まで減った。18年8月には曲げわっぱの製作体験などの複合施設「わっぱビルヂング」が駅前にオープンしたが、十分に生かせていないとの指摘がある。
 山田さんは「長時間滞在できる場所など観光客を受け入れる体制ができていない。観光振興が民間企業の出店や働き手の発掘につながれば、にぎわいも戻るかもしれない」と展望する。

 市長選には再選を目指す現職の福原淳嗣氏(51)と新人の元会社役員麓幸子氏(57)の2人が立候補を表明している。


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2019年04月12日金曜日


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