山形のニュース

レトロな街並みとコーヒーいかが 山形駅前「防火建築帯」ビル活用 東北芸工大生がカフェ開店へ

人通りが少ない日中のすずらん通り。防火建築帯として整備された長屋状のビルが立ち並ぶ=山形市香澄町
改修予定のビルの前に立つ追沼さん(左)と北嶋さん

 東北芸術工科大(山形市)の大学院生と学生の2人が、JR山形駅前に1950〜60年代に「防火建築帯」として整備された長屋状のビルの一部をカフェに改修し、5月の開店を目指して準備を進めている。建物や街並みのレトロな雰囲気を生かしながら、山形市中心部に人の流れを広げる狙いだという。

 飲食店街「すずらん通り(通称)」にある老舗呉服店の旧本社ビル(鉄筋3階)を改修する。呉服店は約8年前、市内の別の場所に移転し、空きビルの活用法を同大に相談していた。
 カフェの開店を目指しているのは、同大大学院2年追沼翼さん(23)と同大4年北嶋孝祐さん(22)。2人はこれまで同市七日町の老舗古書店の改修などにも携わってきた。
 カフェにはカウンターとテーブル席を設け、数種類のコーヒーを350円で販売する。街を歩く人が増えるように、テークアウトの注文にも応じる。
 市などによると、すずらん通りは東北初の防火建築帯として国に指定された。火災の際に延焼を防ぐ目的で1957〜63年、鉄筋3階の長屋状のビルなどが県道の両側約200メートルにわたって整備された。
 かつては中心商店街の一角だったものの、近年は居酒屋などの飲食店が集積して「夜の街」の印象が強まり、日中の人通りは減少。長屋状のビルでは2階以上に空きテナントが増え、老朽化も指摘されている。
 再開発を望む声がある一方で、長屋状のビルは隣接ビルと壁や柱を共有する構造になっており、所有者間の合意形成に長い期間を要するケースが多い。
 今回の改修ではコンクリートの強度を補強し、柱や壁など建物の構造をそのまま生かす。同大出身者が経営する建築デザイン会社(仙台市)などがビルの2階をオフィスに、3階を賃賃貸住宅にそれぞれ改修し、ビル全体を活用。多様な世代を集め、昼も夜もにぎわう街への第一歩を目指す。
 追沼さんは「防火建築帯など街に刻まれてきた歴史を受け継ぎつつ、カフェをきっかけに街に人が増えていけばうれしい」と話す。店長を務める北嶋さんは「手ごろな価格で本格的なコーヒーが楽しめる店になる。七日町など中心市街地全体に人の流れを広げたい」と意気込んでいる。

[防火建築帯]都市の不燃化を目指し、帯状に形成された建築群。1952年の鳥取大火を受けて制定された耐火建築促進法に基づき、国が指定する。地上3階以上または高さ11メートル以上のコンクリート構造とすることで、国などから補助金が支出され、全国各地の都市で整備が進んだ。


関連ページ: 山形 社会

2019年04月12日金曜日


先頭に戻る