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<熊本地震3年>熊本城復活に仙台の力 市教委職員 崩れた石垣修復

鉄骨がむき出しの小天守(左上)と大天守(右奥)の前で現場の状況を説明する須貝さん=11日
熊本城のパンフレットを見ながら復旧作業を振り返る関根さん=仙台市青葉区の市役所上杉分庁舎

 熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)の復旧に、仙台市教委が東日本大震災の経験を生かしながら協力している。地震から3年が経過した今も城内には崩落した石が転がり、立ち入り禁止が続く。仙台市教委の職員は「熊本城は復興のシンボル。力になりたい」と意気込む。

 大小二つの天守閣は周囲に足場が組まれ、外観の修復や石垣の積み直し作業の真っただ中だ。仙台市教委から2人目の派遣となった須貝慎吾さん(25)は10月に始まる特別公開に向け、天守閣近くの見学ルートで石材の回収などに当たっている。
 入庁2年目。1日付で熊本市役所に着任したばかりだ。「復旧は進んでいる印象だが、こんなに大規模な修復は大変な作業になる。これから忙しくなる」と気を引き締める。
 仙台市教委は文化庁の要請を受け、2017年4月から職員を派遣している。1人目は、東日本大震災後、仙台城跡の酉門(とりのもん)と清水門の石垣復旧を担当した関根章義さん(37)だ。熊本城で2年間、天守閣の石垣を元に戻す作業に携わった。
 復旧は(1)崩落状況の記録(2)崩落した石材の番号付け(3)石材の回収と仮置き(4)積み直し−が主な工程。速やかな復旧と同時に文化財の丁寧な調査が求められる。
 「仙台城跡の修復は訳が分からないまま夢中で作業した。熊本城は一連の流れが分かっていたので余裕を持てた」と関根さん。石垣の約3割(2万3600平方メートル、517面)が被害を受けた熊本城を初めて見た時も「時間はかかっても、しっかりと直せそうだ」と焦りはなかった。
 崩れた石の撤去や積み直しの現場に立ち会い、詳細な記録を残すため複数の角度から写真を撮るなど工夫した。昨年末には791個の石を積み直す大天守の石垣復旧が完了し、被害が大きかった小天守の石垣は解体作業まで見届けた。
 関根さんは「派遣職員としてやれるだけのことはやれた。自分が関わった小天守の石垣も完成したら見に行きたい」と語る。
 熊本城調査研究センターの金田一精さん(50)は「大規模な修復のノウハウがない中、震災の経験に基づくアドバイスはとても助かった。本年度も引き続き派遣してくれて心強い」と感謝する。
(報道部・鈴木拓也)

[熊本城]初代肥後熊本藩主加藤清正が1607年に築城。国指定特別史跡。勾配が急になる石垣の反りは「武者返し」と呼ばれる。熊本地震で13棟の国指定重要文化財と、天守閣を含む20棟の再建・復元建造物が倒壊または石垣が崩落するなどの被害を受けた。市は2018年3月に復旧基本計画を策定。38年度の復旧完了を目指す。


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2019年04月14日日曜日


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