宮城のニュース

津波で子ども3人失う 石巻の夫婦、心の復興体験を児童書に

出版された「かがやけ!虹の架け橋」

 東日本大震災の津波で子ども3人を失った石巻市の木工職人遠藤伸一さん(50)夫婦の被災体験をつづった児童向けノンフィクション「かがやけ!虹の架け橋」が出版された。悲しみに沈んだ2人を周囲の人々が支え、遠藤さんが木製遊具の製作を通じて懸命に前を向く姿を描いた。

 著者は児童文学作家の漆原智良さん(85)。小学校高学年の児童から読めるように平易な表現を用い、小学4年生以上で習う漢字にルビを振った。
 4章構成。第2章で遠藤さんの被災体験が記されている。地震発生後、同市渡波小にいた長男侃太(かんた)君=当時(10)=と次女奏(かな)さん=同(8)=を迎えに行き、渡波の自宅に送り届けた。その後、親戚の安否確認のために自宅を離れ、戻る途中で津波に遭った。長女花さん=同(13)=を含め子ども3人が犠牲となった。
 「もし家にいれば子どもたちは助かったかもしれない」。後悔は深く、妻綾子(りょうこ)さん(50)と打ちひしがれた日々を送った。
 第4章は、地域の子どもたちが遊べるよう被災した自宅跡地に木製の大型遊具「虹の架け橋」を製作した話を展開。「虹の架け橋を見ることで天国にいる子どもたちの存在を感じ取ることができる」。製作を通じ、希望を見いだした遠藤さんの心情を伝える。
 遠藤さんは出版について「震災後、人から多くの支えを受けて生かされてきた。人を支えるのは人でしかない。本を手に取った子が、生きることは楽ではないが人間は捨てたものではない、生きなければならないと感じ取ってほしい」と話す。
 四六判112ページ。税抜き1300円。連絡先はアリス館営業部03(5976)7011。


2019年04月14日日曜日


先頭に戻る