福島のニュース

<避難指示解除>帰還促す前線基地 大熊町で新庁舎開庁

新庁舎の開庁式でテープカットする関係者ら=14日午後0時5分ごろ、福島県大熊町

 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が10日に解除された福島県大熊町大川原地区で14日、役場新庁舎の開庁式があった。避難先から大勢の町民が駆け付け、古里復興の前線基地となる役場の再開を祝った。
 同町大川原南平の敷地約1万8000平方メートルに建設した。鉄筋コンクリート2階、延べ床面積約5470平方メートル。原子力災害に備えた備蓄倉庫や災害対策室がある防災棟も整備した。
 新庁舎1階は執務室のほか、交流スペース「おおくまホール」を設置。待ち合わせや休憩、イベントに利用でき、町民が気軽に立ち寄れる。新庁舎前方は広場で、商業施設や災害公営住宅などが整備される復興拠点を見渡すことができる。
 昨年5月に着工し、工事費は約27億4100万円。5月7日に業務を始める。
 新庁舎前であった式には安倍晋三首相ら関係者と町民計約300人が出席。渡辺利綱町長は「ただいま帰りました」と開口一番に宣言し「避難解除は一部。全ての町土を取り戻すため職員一丸となって取り組む」と誓った。
 首相との意見交換で「じじい部隊」メンバーとして町に駐在し、町民の困り事に対応した元町出納長岡田範常さん(66)は「帰還困難区域の多くで帰還の見通しが立たない。全域の帰還見通しを示してほしい」と訴えた。首相は「しっかり受け止める」と応じた。
 式の後、町民らが「ただいま おおくままち」の人文字を作り、小型無人機ドローンで記念撮影。伝統芸能「熊川稚児鹿舞(ししまい)」の披露や豚汁の振る舞いもあった。


2019年04月16日火曜日


先頭に戻る