宮城のニュース

<猿橋賞・梅津理恵さん>「ハーフメタル」研究、子育てと両立し結実

 空はなぜ青いのか。虹はなぜ七色なのか−。高校の授業で目の前の自然現象が物理学のロジックで簡単に説明できることに魅力を感じ、物理の道を志した。
 専門は材料工学。金属と半導体の性質を併せ持つ合金「ハーフメタル」が、放射光で理論計算通りの性質を示すか確かめることに成功。優れた女性科学者に贈られる猿橋賞の受賞が決まった。パソコンの記憶容量の大幅な向上などに役立つと期待されている。
 仙台市出身。旧宮城二女高から奈良女子大大学院で学んだ。性別を意識せずにきたが、就職活動で男女の壁を感じた。病気の母親の介護のため仙台に戻り、みとった後、学んだことを生かしたいと、金属研究者の父(83)と同じ東北大の門をたたいた。
 物質の性質を調べる物性物理学は自分のペースで研究できる一方、大型装置を使う実験や共同研究も少なくない。長女(18)、次女(16)、長男(13)の2女1男を育てながらの研究生活は、自営業の夫(50)と協力しても綱渡りの連続だった。
 「優先順位を付け、うまくやっていこう」。上司の言葉に励まされた。海外の学会に義母についてきてもらい、子どもを世話してもらったこともある。「研究を続けられたのは周囲の理解があってこそ」と感謝する。
 女性研究者への支援体制は整ってきたが、大学教員の志望者が減っているのが気掛かり。「後に続く人たちに自分の姿を見せていくしかない」と前を向く。娘のテニス、息子のサッカーの応援が息抜き。仙台市青葉区在住。49歳。


関連ページ: 宮城 社会

2019年04月17日水曜日


先頭に戻る