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<平成の東北・30年の軌跡>(2)防災/命を守る情報 様変わり 度重なる災害 教訓生かす

東日本大震災発生直後、携帯電話の充電に並ぶ人たち。携帯電話は防災情報の入手に欠かせない道具になった=2011年3月13日、仙台市青葉区のNTTドコモ東北支社
仙台市のシェイクアウト訓練で担任の指示に従い、机の下に潜り込み、待機する児童=2018年6月12日、仙台市宮城野区の幸町南小

 30年余りにわたった平成が間もなく終わる。この間、東北は幾つもの荒波を乗り越え、変革を続けてきた。新しい時代の幕開けを前に、政治、経済、文化など各分野の軌跡を追った。

 平成は自然災害が相次いだ一方、通信や観測技術の発達により命や生活を守る防災情報が様変わりした。
 大規模災害の発生後、被災地では電話がかかりにくくなる。家族や知人の安否を確認する手段として1998年、災害用伝言サービスが始まった。

<安否確認に重宝>
 東日本大震災の直後も、被災者は家族などの安否確認に追われた。宮城県七ケ浜町の会社経営佐藤徳康さん(67)は発生当日の夜、息子が塩釜市内の避難所にいることを災害用伝言サービスで知った。「無事が分かるまで気が気でなかった。震災前、たまたま家族でサービスの話をしたことが役に立った」と振り返る。
 緊急地震速報は2007年に本格運用を開始した。東日本大震災でもテレビや携帯電話から速報が流れた後、激震が被災地を襲った。
 震災発生2カ月で発表は73回を数え、そのたびに被災地に緊張が走り、人々は身構えた。揺れから身を守る「シェイクアウト訓練」など、速報を生かす取り組みが現在、仙台市をはじめ各地で行われている。

<噴火にも備える>
 火山活動に伴う住民の行動を1(平常)から5(避難)の5段階で定める噴火警戒レベルも07年のスタート。東北では岩木山(青森)岩手山(岩手)秋田駒ケ岳(秋田、岩手)鳥海山(秋田、山形)蔵王山(宮城、山形)吾妻山(福島、山形)で導入されている。
 一般住民の避難準備と要援護者の避難開始を意味する「避難準備情報」は05年に設けられた。16年の台風10号豪雨では、岩手県岩泉町の高齢者施設で避難準備情報の理解不足から避難が遅れ、9人が犠牲に。意味を明確に示そうと、17年に「避難準備・高齢者等避難開始」と名称が変わった。
 同町で別の高齢者施設を運営する介護施設あお空(宮古市)の大久保博社長は「自宅で高齢者を介護する家庭にも意味が伝わりやすくなったのではないか。社会全体で教訓を生かさないといけない」と話す。


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2019年04月19日金曜日


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