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被災、再建の気仙沼「すがとよ酒店」が100周年 20日から感謝祭、限定酒販売も

再建した店舗の前で記念酒を手にする文子さんと英樹さん

 東日本大震災で被災した後、再建を果たした気仙沼市鹿折地区の「すがとよ酒店」が創業100周年を迎え、20、21の両日、感謝祭を開く。津波で夫と義父母を亡くした店主の菅原文子さん(69)は「生かされた意味をかみしめて頑張る」と決意を新たにしている。

 同店は1919年、初代の菅原豊吉さん、フエさん夫妻が雑貨商から始めた。平成となった89年、鉄骨の店舗に建て替えたが、震災の津波で全壊。文子さんは夫で3代目の豊和さん=当時(62)=、義父母の豊太郎さん=同(91)=、のり子さん=同(89)=を失った。
 仮店舗などでの営業を経て2016年12月、創業の地、鹿折で店を再建した。震災の翌年、豊和さんが発見された所のすぐ近くだ。
 「すがとよにとって、平成は激動の時代だった」と文子さん。「支援を受けた全国の皆さんと縁がつながり、今日があることを忘れてはいけない」と語る。
 支援の広がりや地域からの激励を受け、地元小売店としての役割、商いの大切さを再確認した。豊吉さん、豊太郎さんとも長く自治会長を務め、出漁する船に酒を積み込み、上棟式や結婚式などの重要行事に酒を提供してきた。
 地域と深く関わってきた歴史がある一方、今は大手スーパーやコンビニ、インターネット販売の時代。文子さんは「『小売店ははやらないから、もう(店を)やめたら』と言われたこともあった」と明かす。「でも、お客さんとの会話や地域とのつながりを大事にしたい。令和は小売店が存続できる時代であってほしい」
 店は現在、次男英樹さん(43)とめい、従業員の4人で切り盛りする。英樹さんは「店は母の生きがいですから」と温かく見守る。
 感謝祭は20、21日とも午前10時から。本数限定の記念酒「初代豊吉」を売り出す。20日はそばの振る舞いやピアノ弾き語り、21日は讃岐うどんの振る舞いなどもある。連絡先は、すがとよ酒店0226(24)1111。


2019年04月20日土曜日


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