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被災住宅の修繕、仙台1万棟未完了 8割が「半壊」判定、支援対象外

 東日本大震災で半壊以上の被害を受けた仙台市内の住宅約1万棟の修繕が未完了であることが、市が昨年実施した損壊家屋の修繕状況調査で分かった。このうち8割が生活再建支援制度の対象外となる「半壊」判定だった。宮城県内で同様の調査をした自治体と合わせると、修繕未完了の家屋は少なくとも1万5000棟を超えるとみられる。

 震災から8年が過ぎ、生活困窮などの理由で今なお自宅を直し切れない被災者の実態がうかがえる。制度の隙間に陥る在宅被災者の存在を指摘する声もある。
 仙台市の調査は昨年9月、被災家屋に対する固定資産税軽減措置の減額割合を見直すため郵送で実施。半壊以上の罹災(りさい)証明書を交付され、2017年度時点で修繕が未完了かつ解体されていなかった約1万1000棟の所有者を対象とした。
 「修繕済み」「解体済み」「未修繕」のほか、完全に補修できていない「一部修繕済み」の四つから選択し、未修繕の箇所を具体的に記入する内容。
 市資産税企画課によると、非居住の建物を除いた住宅約1万棟のうち約5100棟が「未修繕」、約4400棟が「一部修繕済み」と回答した。「修繕済み」「解体済み」は計約330棟だけだった。
 市は適正な課税を目的に、14年度から毎年調査をしている。同課は「所有者の事情はさまざまで、生活再建の度合いを一概に評価はできない」と説明する。
 市の半壊世帯への修繕支援は応急修理制度(52万円)のみ。市社会課の和泉政博担当課長は「今の枠組みでは半壊世帯をカバー仕切れていない。(大規模半壊以上が対象の)加算支援金の未申請者がまだ多くいる。まずその問題を解決したい」と話す。
 同様の調査は県内の複数の自治体が取り組んでいる。16年度に行った石巻市の場合、被災などで評価額が8割以上減少した建物を除く半壊以上の約7400棟を調べ、住宅約3160棟が修繕未完了だった。他の自治体でも40〜1000棟が確認された。
 在宅被災者支援を続ける一般社団法人「チーム王冠」(石巻市)の伊藤健哉代表理事は「生活に余裕のない人が突然災害に見舞われ、公的支援が少なければ住宅を直せないのは当然。一人一人の状況を具体的に調査すべきだ」と提言する。


2019年04月20日土曜日


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