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<あおもり点検 三村県政16年>(4)医療/過疎地の医師不足深刻

西北五地域の中核病院を担うつがる総合病院。医師不足状態での運営が続いている
村上秀一さん

<充足度全国45位>
 厚生労働省は2月、医師の充足度合いを数値化した「医師偏在指標」を初めて公表した。青森県は全国都道府県で45位。医師不足の深刻さを改めて裏付けた。
 指標は、複数の市区町村で構成する「2次医療圏」ごとにも発表された。県内最下位は、過疎地を広く抱える西北五地域だった。
 「運営上、医師が20人足りない」
 地域の中心、五所川原市にあるつがる総合病院(438床)。運営するつがる西北五広域連合の鎌田和広局長は、こう説明する。
 域内の医療機能を集約し、2014年に開院した。精密検査や手術、入院といった高度な医療を担う。
 医師約50人が1日約700人の外来患者、約300人の入院患者を診療する。救急搬送は年3000件以上を受け入れ、夜間や休日の救急外来にも対応する。
 増大する医師の負担。医師不足だけでなく、開業医など地域医療機関の減少や、医師の高齢化も影響しているという。
 鎌田局長は「地域の医療機関が減れば、総合病院で受診する外来患者が増え、高度な医療にかける時間が制限される。医師への負担が、さらに増える」と悪循環に頭を抱える。
 実は、青森県内の医師数は増え続けている。16年末は04年比約180人増の2702人になった。
 県は将来にわたる継続的な医師確保を見据え、県内高校出身の医学部合格者や弘前大医学部の地域枠の拡大などに力を入れてきた。
 卒業後、同大付属病院か関連病院で最低12年間の勤務を義務付けている地域枠や県定着枠などは、06年の15人(医学部医学科は定員100人)から順次拡大し、現在は67人(同132人)になっている。

<専門研修で流出>
 医師免許の取得後、県内で臨床研修を受ける医師は07年まで50人台だったが、15年に過去最多の93人となった。現在も70〜80人台と高水準で推移している。
 だが、その後のより専門的な研修では流出が続く。18年は流入が8人だったが、26人は県外での研修を選んだ。弘前大の地域枠で入学した医師も相当数いたという。
 厚労省は36年度までに都市部に集中する医師偏在の解消を目指す。同省の試算では、36年に青森県で必要な医師は3369人。確保できるのは6〜9割の見込みだ。西北五や上十三地域では、4〜6割と厳しい状況が予想される。
 県は大学と連携し地域に残る医学生を確保しつつ、包括ケアシステムの推進や在宅医療への対応などニーズに合った態勢を、市町村や医療機関などとつくり上げていく必要がある。

◎専門家の目/地域枠継続して 青森県医師会副会長 村上秀一さん(75)

 医師不足、医師偏在と言われるが、昔と違って専門外は診ない医者が増えていることも一因だ。青森県内の医師数自体は増えている。ただ、地理的要因もあり、青森、弘前、八戸の3市は多いが、それ以外は少ないといった地域差がある。
 医学部に進学する高校生を増やしたり、県内出身の医学生への修学資金を出したりするなど、県の施策は一定の効果を上げており、いい方向に進んでいる。県内勤務を義務付ける弘前大医学部の地域枠も良い取り組みだ。今後も継続すべきだと思う。
 県地域医療対策協議会が来年度から動きだす。県や医師会、主な病院などから委員が加わり、弘前大医学部を卒業した地域枠の医師の配置を検討する。青森県では弘前大と医師会、県のまとまりがあり、うまく機能するのではないか。
 県内には医師を確保するため、研修医に見合わない多額の給料を払っている病院もある。そうしたことも今後少なくなるだろう。


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2019年04月20日土曜日


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