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<平成の東北・30年の軌跡>(3)製造/自動車産業 成長支える 関連企業続々、出荷額5倍

岩手工場で生産が続くトヨタの人気車種「アクア」=2012年3月、岩手県金ケ崎町
北上工業団地に建設中の東芝メモリの新工場

 平成の製造業はジェットコースターのような好不況の乱高下に見舞われた。
 東北は昭和後期から平成初頭にかけ、高速交通網の整備進展を背景に通信、光学機械など先端型企業の進出が相次ぎ、立地件数は1984年から8年連続で全国のトップに立った。

<電子部品は低迷>
 しかし、電気機械産業が先導した好景気はバブル崩壊で終焉(しゅうえん)を迎えた。大手メーカーは急激な円高に襲われ、次々とコストの低いアジアに生産拠点を移した。
 大口顧客の生産減のあおりを受け、東北の電子部品業界の受注は低迷。みやぎ産業振興機構の菊地智産業経営支援部長(59)は「下請け企業は工場閉鎖や事業縮小を迫られ、通信や家電の仕事はほとんど残らなかった」と振り返る。
 2000年代、ITバブル崩壊やリーマン・ショックの荒波が襲う中、東北の成長を支えたのは自動車産業だ。トヨタ自動車子会社の関東自動車工業が岩手県金ケ崎町に岩手工場を開設すると、岩手、宮城両県に関連企業が進出した。

<半導体大手 進出>
 12年発足のトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は、トヨタの小型車製造を担う国内第3の拠点と位置付けられ、現在では国内年間販売の3分の1に当たる約50万台を手掛ける。
 東北の17年の製造品出荷額のうち、自動車など輸送用機械器具は1兆9572億円。平成の30年間で約5倍に拡大した。自動車部品を手掛ける登米精巧(登米市)の後藤康治社長(67)は「家電やスマホが衰退し、国内で最後に残ったのが自動車。生き残りを懸けて参入した」と明かす。
 近年はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の伸展で半導体関連産業が好調だ。半導体大手の東芝メモリ(東京)は北上市に北上工場を建設中。今秋に完成し、20年に製品の本格出荷を始める。
 市内では、新工場効果でオフィスビルやアパートの建設などの開発ラッシュが起きている。北上工場を運営する東芝メモリ岩手の米倉明道社長(58)は「円滑に事業を立ち上げ、東北経済の活性化につなげたい」と誓う。


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2019年04月20日土曜日


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