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蔵王のアオモリトドマツ、立ち枯れ拡大 キクイムシ食害原因か

枯れて白っぽくなった刈田岳周辺のアオモリトドマツ=2018年8月(東北森林管理局提供)

 蔵王連峰の宮城県側の刈田岳(1758メートル)、屏風岳(1825メートル)周辺で、冬季に樹氷となるアオモリトドマツの立ち枯れが広がっている。甲虫のトドマツノキクイムシによる食害が原因とみられ、被害面積は宮城側で500ヘクタールに上ると推測される。東北森林管理局は本年度、自生する苗の移植や採種といった再生事業に着手する。
 宮城側で立ち枯れが見つかったのは2017年。管理局が現地調査して被害を確認した。枯れた樹木の幹には多くの小さな穴があり、キクイムシが入り込んだ可能性が高い。
 同様の被害は16年に山形側でも確認されている。13年にガの食害を受けたトドマツにキクイムシが入り込み、状況を悪化させた。
 キクイムシは体長約3ミリ。トドマツは、やにを出して虫を撃退するが、強風が吹き付ける現地の厳しい環境に加え、近年の夏場の高温化で樹勢が弱まり、やにの分泌量が少なくなったとみられる。温暖化に伴うキクイムシの活発化も要因と考えられる。
 現地は蔵王国定公園の特別保護地区で、被害を受けた木は薫蒸や伐採ができない。他の生態系に影響を及ぼす恐れがあるため、防虫対策も打てないという。
 管理局は雪解けを待って、アオモリトドマツの種まきや苗の栽培のほか、自生する苗木の移植を試みる。苗木周辺に生えるササの刈り払いを行い、未実施の場合との生育状況を比較する。小型無人機ドローンを使って被害状況も調べる。
 管理局の担当者は「さまざまな原因が複合的に作用していると考えられる。原因究明を急ぎ、再生に向けた対策を講じていく」と話す。


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2019年04月22日月曜日


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