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<全町避難>福島・双葉 浜野地区で8年ぶりに神楽奉納、県内外から住民集結

社殿が流失した境内で奉納された神楽

 東京電力福島第1原発事故で全町避難する福島県双葉町の浜野地区にある八幡神社で、地域に伝わる神楽が約8年半ぶりに奉納された。地区は東日本大震災の津波で大きく被災。伝承団体は流失した道具をそろえ直し、犠牲者の追悼と避難先にいる住民の息災を願い、獅子舞をささげた。
 中浜、中野両地区の住民たちでつくる「浜野はまなす会」の8人が14日、県内外から集まった。震災後に地区の会合で一度披露したが、地元での奉納は初めて。鳥居と小さなほこらだけ再建された境内に笛や太鼓の音が響き、勇壮な舞が繰り広げられた。
 浜野地区は避難指示解除準備区域にあり、町は2020年春の一帯の先行解除を目指す。県の防災林や双葉町の復興産業拠点、国と県による復興祈念公園の整備が予定され、土地を手放した住民も多い。
 会長の新(しん)家(か)俊美さん(64)は「みんなばらばらになり、困難もあったが奉納できて良かった。継承していけるかどうか、若い世代と共に考えたい」と語った。神楽は町が撮影し、映像として記録した。
 獅子舞を舞った志賀隆昌さん(48)は当時63歳の母と生後4カ月の長女が依然行方不明。「『2人が早く帰ってくるといい』『いつかまた地域に戻りたい』と願いながら舞った」と話した。


2019年04月23日火曜日


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