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<インバウンド>東北の企業で外国籍正社員の採用増、雇用意欲盛ん

新入社員研修を受ける東洋ワークの外国籍社員

 東北の企業で外国籍の人材を正社員として採用する動きが広がっている。事業拡大や訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加への対応が主な理由で、各社は優秀な外国人材の確保・育成に本腰を入れる。小売り業界では正社員への転換も見据え、技能実習生の採用を増やした企業もある。人手不足を背景に改正入管難民法が今月施行されたが、有為な人材を国籍に関わらず求める動きは今後も加速しそうだ。

<各地に拠点開設>
 人材派遣業の東洋ワーク(仙台市)グループは本年度、アジアを中心に過去最多の47人を採った。そのうち7人は東洋ワークの総合職として勤務し、それ以外は取引先の建築業者やIT企業に派遣される。
 同社はインドネシア、ネパール、ベトナムに現地法人を持つ。日本で需要のある高度人材を各拠点で採用し、日本語などの教育をして送り出している。
 来春の採用は150人を目指す。里見誠国際事業部長は「建築系をはじめ、外国人材の国内ニーズは高い。採用を増やして人手不足を補い、日本の産業を支えたい」と話す。
 初めて外国籍の正社員採用に踏み切った企業もある。仙台三越は今月、中国出身の尹倩(いんせい)さん(25)=東北大大学院修了=を迎え入れた。中国と台湾のインバウンドが増えると見越し、受け入れ体制を整える。
 同社の2017年度の店舗売り上げのうち、免税は0.4%だが、伸び率は前年度比1.5倍と高い。海外客には日本の化粧品の人気が高く、きめ細かな接客でさらなる購買を促す。尹さんは「お客さまと笑顔で接し、日本と海外をつないでいきたい」と意気込む。

<おもてなし向上>
 年間約3000人のインバウンドが宿泊するホテルを運営する青森県鯵ケ沢町の杉沢興業は昨年、台湾・台北市で入社試験を実施。現地の大学で日本語を学んだ20代男性を正社員として初めて雇い入れた。
 インバウンドの約85%が台湾から。杉沢廉晴(やすはる)社長は「従来は妻で台湾出身のおかみが中心となって対応してきたが、おもてなし向上のため台湾出身者の採用を決めた。今年6月には女性をもう1人採用する」と明かす。
 福島や新潟県でスーパーを展開するリオン・ドールコーポレーション(会津若松市)は今月、ベトナムからの技能実習生70人を受け入れた。今年で4回目で、過去3回の20人前後から大幅に増やした。
 従来の配属先は本社に近い流通センターや店舗だったが、人手不足の深刻化に伴い、福島県の他地域のほか新潟、栃木両県の大型店舗にも配属する方針に転換した。
 同社人材教育部の担当者は「器用さや勤勉さを評価している。現地の大学を卒業し、日本語検定2級に合格するなどの条件を満たした場合は正社員としての登用も検討したい」と話した。


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2019年04月23日火曜日


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