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<再出発・かわまちてらす閖上>(中)ももや/復活 懐かしのカツ丼

プレオープンしたかわまちてらす閖上で、復活したももやのカツ丼を頬張る来店客=22日

 名取市閖上の住民が「ソウルフード」と口をそろえるのが「ももやのカツ丼」だ。25日開業の商業施設「かわまちてらす閖上」で、懐かしの味が復活する。

<途絶えた店の味>
 かつて閖上2丁目にあった「お食事処ももや」は、渡辺重治さん=東日本大震災当時(70)=、由美子さん=同(68)=夫婦が切り盛りしていた。1番人気は肩ロース肉のカツに、甘じょっぱいたれが染み込んだカツ丼。しかし、震災の津波で2人とも帰らぬ人となり、店の味は途絶えた。
 「閖上のごちそうだった」と話すのは、閖上出身の洋食店料理長小斎悟史さん(37)=仙台市青葉区=。農作業後に出前で取ったカツ丼のうまさを忘れられず、レシピ再現に奔走した。
 カツ丼復活は2012年、栃木県内で働いていた小斎さんが閖上の復興支援に取り組む仙台市の飲食店経営「飛梅」の求人に応募したのが、きっかけとなった。採用面接で小斎さんが復活への熱意を語り、当時の松野勝生社長(73)が実現を約束した。
 小斎さんは、遺族からサバ節でだしを取っていたことやラードでカツを揚げていたことなどを聞き、仕入れ業者も調べて試行錯誤を重ねた。「地元復興のため、料理人としてできること」を追い求めた。

<試食会を重ねる>
 飛梅がかわまちてらす閖上に「ももや」を出店する計画が具体化し、小斎さんはレシピ作りを急いだ。今年1、2月に試食会を開き、かつての味を知る参加者の意見を踏まえて3月に完成させた。箸休めの白いたくあんや丼の質感など細部まで気を配った。
 「当時に近い味を出せたと感じる。食べた人から、ああだった、こうだったという話を聞くのが楽しみ」と、飛梅の松野水緒社長(39)。閖上の住民の舌に残った記憶を呼び起こす一杯となるに違いない。

[メ モ]メニューはカツ丼650円、親子丼600円、玉子丼550円、みそ汁100円の4種類。フードコートの一角に入る。営業時間は平日午前11時〜午後8時、土日祝日午前10時〜午後9時。年中無休。連絡先は飛梅022(398)9410。


2019年04月24日水曜日


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