宮城のニュース

<強制不妊救済法成立>被害者不満、隔たり大きく 仙台地裁判決、焦点に

法案成立を受け記者会見する原告と弁護団

 24日に成立した旧優生保護法の被害者救済法は、国の責任に関し直接の言及を避けた。旧法を巡る一連の国家賠償請求訴訟への影響を最小限に抑えるためとみられ、被害者らから不満の声が漏れた。5月28日に仙台地裁が言い渡す全国初の判決は旧法の合憲・違憲性を含めて判断する見通し。原告側の主張が認められれば、弁護団は救済法の見直しを求める構えだ。
 「早期に救済制度ができたことは評価したいが、内容が十分だとは誰も思わない」。都内で記者会見した全国被害弁護団共同代表の新里宏二弁護士(仙台弁護士会)はこう強調し「今は開かずの救済の扉が開いた段階でしかない。国は司法判断を受け、制度の改善を図るべきだ」と続けた。
 一連の訴訟で国は旧法の合憲・違憲性に関する主張を「主要争点ではない」と回避し続けている。救済法も前文の「反省とおわび」の主体は「われわれ」とあいまいな表現となった。
 20年以上前から被害を訴えてきた仙台訴訟の原告飯塚淳子さん=70代、活動名=は「これまで何度も国に謝罪と補償を求めてきたのに相手にされず、苦しんできた。国の明確な謝罪がなければ、納得できない」と訴える。
 1人当たり320万円とされた救済法の一時金についても、原則3000万円超とした各地の訴訟の請求額と隔たりが大きい。
 仙台訴訟で原告側は手術による生殖機能の喪失を「死亡と同等程度に深刻」と主張。一般的な交通事故の死亡慰謝料を参考に損害額を算出した。
 救済法で示された一時金は、過去に同様の手術が繰り返されたスウェーデンの補償額に物価変動を反映させただけで、根拠に乏しい。
 仙台訴訟原告の60代女性の義姉は「(女性の)侵害された人権はたったこれだけの価値なのかと思ってしまう。できるなら判決を待って救済法を作ってほしかった」と語った。


関連ページ: 宮城 政治・行政

2019年04月25日木曜日


先頭に戻る