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<東日本大震災>10年前の切手の唾液で身元判明 遺骨遺族へ「やっと対面できた」

平塚さんと判明した遺骨を受け取る鈴木さん(左)

 東日本大震災の約1カ月後に宮城県石巻市泊浜で見つかった身元不明遺体が女川町女川浜の平塚真澄さん=当時(60)=と判明したことを受け、県警は24日、市が保管していた遺骨と遺品を遺族に引き渡した。
 平塚さんの異母弟で八戸市の農業鈴木正樹さん(47)ら3人が、石巻市南境の石巻霊園で引き渡しを受けた。鈴木さんは「ほぼ諦めかけていたがやっと対面できた」と語った。
 鈴木さんは15歳の頃、父親の葬儀で平塚さんと初めて会った。平塚さんはスタイリストをしており、明るい性格だったという。「突然姿を現すのではないかと思ってきた。(亡くなったことの)実感がようやく持てる」と話した。近く平塚さんの母親が眠る女川町内の墓地に納骨する。
 平塚さんの遺体は震災後の2011年4月9日、泊浜漁港の防波堤近くで見つかった。身元が特定されずにいたが、県警作成の似顔絵を見た鈴木さんのいとこの女性(53)=気仙沼市=が鈴木さんに似ていると気付き、3月16日に気仙沼署に情報提供した。
 その後の鑑定で、平塚さんが09年に鈴木さんに送った手紙の切手の唾液から検出されたDNA型が、遺体から採取されたDNA型と一致した。女性は取材に「ずっと胸に引っ掛かっていた。平塚さんが母親と一緒に埋葬されると聞いて、本当に良かった」と語った。
 平塚さんの身元判明により、県内で発見された身元不明遺体は9体となった。県警捜査1課の菅原信一検視官は「今回のようにわずかな情報でも身元判明につながる」と述べ、改めて情報提供を呼び掛けた。


2019年04月25日木曜日


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