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<河北美術展>米袋と石で女性像、素材求め白石移住 東京都出身の清水さん

米袋から作った紙ひもを貼り合わせた作品をチェックする清水さん=白石市小原の自宅兼アトリエ

 25日開幕する第82回河北美術展彫刻部門で、東京都出身の清水玄太さん(32)=白石市小原=の「命の種」が東北福祉大賞に選ばれた。米袋と自然石という素朴な材料を使って、精神の重厚さを表現した女性像。自分に合った素材を探し求めて東京から移住した清水さんは「自然が多い小原地区は創作には最適の場所。さらに表現を深めていきたい」と抱負を語る。
 作品の人体部分を成す素材は中古の米袋。元来、石彫が「本業」の清水さんは通常、庭先で創作に打ち込むが、雪が膝まで達する冬季の制作は肉体的に厳しいと感じていた。室内でできる素材を探していた時、ホームセンターで1枚20円で売られていた紙製の米袋が目に留まった。
 袋を切り分け、丸めて作った直径数ミリ、長さ約20センチの紙ひもを貼り合わせて創作する。受賞作には約5000本、袋約30枚分を費やした。
 米袋のひもで作った人体には肉体の軽やかさを、白く磨いた石の米粒には精神の重厚さを込めた。審査員は「地面から空へ伸びゆく若々しさと軽やかさを感じる」と評した。
 東京都渋谷区生まれ。日本大芸術学部美術学科で彫刻を学んだ。卒業後、自らの作風に合う石を探していた時、石材業者から宮城県丸森町の石材店の話を聞き2011年5月、同店に就職。13年、創作に打ち込める環境を求め、仕事を辞めて小原に移り住んだ。「自然に薄く割ることができて自分にぴったり」という石との出合いが決め手だった。
 「鉱物、芸術作品、購入者の所有物と、石にはその時々を経験してきた時間がある。時の流れを楽しめる作品を作りたい」と清水さん。今後は「春から秋は石彫、冬季は紙と、自然に逆らわずにやっていけたらいい」と話す。


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2019年04月25日木曜日


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