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<平成の東北・30年の軌跡>(8完)通信/ネット普及し生活一変 震災時は情報収集に活用

米マイクロソフトの「ウィンドウズ95」日本語版の発売でにぎわう電器店。パソコンやネットの普及にも貢献した=1995年11月23日、仙台市青葉区
IT企業などが設置したパソコンを利用する東日本大震災の被災者ら=2011年4月10日、陸前高田市

 「ポケットベルで呼び出しを受けてムーバで連絡すれば、発信の時だけ電源を入れることになり、電池切れの心配もなくなる。いろんな使い方があり、まだまだ商品として伸びる」
 1992年3月の河北新報に掲載されたコメントだ。ムーバはNTTドコモの前身NTT移動体通信事業本部が販売していた携帯電話。東北で利用台数が1万台を突破したことを伝える記事から、携帯電話がまだ黎明(れいめい)期にあったことがうかがえる。

<携帯普及率99%>
 「平成は通信にとってデジタル化、モバイル化の時代」と田中宏東北総合通信局長は言う。総務省によると89年度末の携帯電話・PHSの普及率は全国で0.4%で、東北は0.1%。2017年度末には全国で136%、東北で99.2%になった。
 インターネットも普及し、人々の暮らしやビジネスなどあらゆる分野に大きな変化をもたらした。東北で個人が利用しやすい環境が整い始めたのは20年以上前。ネットへの接続サービスを提供する企業が相次ぎ仙台に進出した。

<世代などで格差>
 ネットの真価と、活用できるかどうかの差が顕著になったのが東日本大震災の被災地だった。短文投稿サイトのツイッターなどが情報収集、発信に活用された。
 「スーパーやガソリンスタンドの開店情報を得たり、被災者の要望にボランティアが応えたりできたのはネットのおかげ。一方で高齢世帯などでは情報が入りにくかった」と東北大サイバーサイエンスセンターの曽根秀昭教授(情報通信)は振り返る。
 17年の東北のネット利用率は74.8%。うちスマートフォンは51.2%でいずれも全国で最も低かった。曽根教授は「ネットが広がる中でも地域や世代、属性で格差がある」と語る。
 AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、第5世代(5G)移動通信システム−。平成に生まれた技術が、令和の東北にも新たな変化を呼び込もうとしている。


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2019年04月26日金曜日


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