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<福島・広野ADR>慰謝料上積み一律は認めず 和解案、ゼロ回答も

 東京電力福島第1原発事故で緊急時避難準備区域だった福島県広野町の約100世帯約280人が東電に慰謝料上積みなどを求めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、原子力損害賠償紛争解決センターは26日までに和解案を示した。
 個別事情に応じ、最も多い世帯には約720万円を支払う内容。一律の慰謝料上積みは認めなかった。弁護団によると、和解案は請求水準と大きな開きがあるが、大半は応じる方向。東電の広報担当者は「仲介手続きにのっとり真摯(しんし)に対応していく」と話した。
 町は2011年9月に緊急時避難準備区域の国指定が解除され、精神的損害への慰謝料は約1年後の12年8月分で打ち切られた。住民側は町独自の避難指示が12年3月まで続いたことや除染、インフラ復旧の遅れから最低でも13年3月分まで一律に支払うよう求めたが、盛り込まれなかった。
 一方、病気療養や住宅修繕未了など避難継続の理由がある一部世帯で慰謝料の期間延長が認められた。自宅修繕代や廃棄した家財の賠償も一部盛り込まれた。
 和解案総額は約9100万円にとどまり、ゼロ回答世帯も約15%に上った。
 弁護団は集団ADRで東電の和解案拒否が相次いだことに触れ「東電が和解を拒絶しない限度の案が示されたと考えられる。個別に被害を主張立証すれば賠償につながることは明らかになった」と説明した。


2019年04月27日土曜日


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