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被災者の健康守り7年半 釜石・平田、仮設住宅団地の診療所閉鎖

野田市長から感謝状を贈られた八島さん(右)

 東日本大震災で岩手県釜石市内最大の仮設住宅団地になった平田地区の診療所が閉鎖された。7年半にわたり被災者の健康を守ってきたが、住宅再建が進み受診者が減っていた。所長の医師八島良幸さん(72)は「これも復興の一つの節目。役割は果たせた」と語る。
 仮設住宅が集中立地する平田地区には医療施設がなかったため、市が地元の医療法人仁医会に協力を要請。平田第6仮設住宅の一角に2011年10月1日、平田診療所を開所し、仁医会の医師1人が週3日の診療に当たってきた。
 平田地区には六つの仮設住宅団地が立ち並び、11年9月には508世帯、1105人が入居した。来院は13年度がピークで1日当たり9.2人。予防接種などで多くの復興工事関係者も来院したという。
 しかし仮設住宅の入居者は年々減少し、今年3月末時点で31世帯44人になった。昨年度の患者は1日当たり2.4人で「経営的にはずっと大赤字」と八島さんは語る。
 「たくさんの患者を診療したわけではないが、本当に困っている被災者の役には立てたと思う」と振り返った八島さん。震災当時は岩手県立大船渡病院の院長だったが退職して12年5月、医療の復興に尽くしたいと仁医会の医師になり、診療所長を務めた。
 市はこのほど、仁医会に感謝状を贈呈。野田武則市長は「被災者は本当に助けられた。災害医療のモデルになった」とたたえ、八島さんは「患者が少ない分、仮設住宅でさまざまな悩みを持っている人の話を聞いてあげられた」と話した。


2019年04月29日月曜日


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