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広瀬川貸しボート存続の危機 GW最後に当面休業「営業継続したいが…」

大型連休中、家族連れでにぎわっていた広瀬川。年々利用客が減り、貸しボートの存続が難しくなっている=2014年5月

 仙台市若林区の広瀬川に架かる宮沢橋のたもとで、春から秋の週末に営業してきた貸しボートが、存続の危機に立たされている。運営するNPO法人「広瀬川ボートくらぶ」が、利用低迷と会員の高齢化で経営難に陥り、継続が困難になっている。本年度は5月3〜5日のイベントを最初で最後の営業とし、1年間の休業に入ることを決めた。

 ボートくらぶは2009年に営業を開始し、初年度は話題を呼んで2384組が利用した。だが、東日本大震災で11年度は608組に激減。その後も客足は戻らず、13年度からは夏休み期間以外は土日祝日のみの営業としたが、18年度は累積赤字が数百万円に達した。
 さらに、18年3月に事務局の中核を担った地元企業が事業から撤退。今年3月には現地でボートの貸し出しを担当した夫妻が、高齢を理由に退いた。11月に始まる市の宮沢橋架け替え工事に伴い、ボートの保管場所が使えなくなることも決まった。
 経営難に人手不足も重なり、菅井一男理事長(71)は「このまま営業を続けることが厳しくなった」と落胆する。5月3〜5日、若林区の広瀬川宮沢緑地であるイベント「広瀬川で遊ぼう」に合わせて営業した後、本年度は休業し、5月26日の総会で今後の方針を協議する。
 広瀬川の貸しボートは1960年ごろに6業者が営業し、宮沢橋付近の夏の風物詩だった。90年に最後の1業者が廃業して見られなくなったが、2009年に地元企業などがボートくらぶを設立し、約20年ぶりに復活させた。
 市の広瀬川創生プランに基づく市民事業に位置付けられ、広瀬川の魅力づくりにも一役買った。近年は利用客が伸びず赤字が膨らむ一方だったが、試行錯誤を重ねて営業を続けてきた。
 菅井理事長は「この10年間で、広瀬川の貸しボートは再び市民に定着してきており、気持ちとしては営業を継続したい。果たして、どうしたものか」と悩む。


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2019年04月30日火曜日


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